2019.12.11 (水) 謎の普通酒
夜、嫁のモモ君の運転するマツダデミオの後席に収まって、山道を往く。黄色の地に鹿の黒く描かれた「動物が飛び出す恐れあり」の標識が、ヘッドライトにしばしば浮かぶ。10キロほど走るあいだにすれ違ったクルマは1台。「熊に注意」の看板も出てくる。
渓流に架かった橋の先、右手の大きな門の奥にクルマを駐める。外へ出ると、手が届きそうなほど近い山の稜線には、夜目にも白く雲が迫っている。玄関の、どこから切り出したものか、羊羹の1000倍ほどの大きさの石の上に靴を脱ぐ。富農の屋敷を改造した屋内には大型のストーブが燃えて、とても暖かい。
酒の品書きに見慣れないものがあって、女将に質す。その説明の済んだところで「それ、美味いよ」と、長男は口を添えた。だったら今夜の酒は、それで決まりである。
この家には孫とおなじ齢の、やはり女の子がいる。食事中に大人しくしていられない孫はその子と遊ぶから、当方としては、とても気が楽だ。
「酒、呑め」は、英語なら”Let’s roll SAKE!”だろうか。次々と運ばれる料理が、僕にそうけしかけているような気がする。外は森閑として、とても静かだ。
朝飯 「しその実のたまり漬」を含む5種のおむすび、ごぼうのたまり漬、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 「炉心庵」の其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、其の六、其の七、其の八、フツウじゃない普通酒(燗)