2019.12.2 (月) 12月の雨
10月の度重なる台風や大雨は、列島に深い爪痕を残した。その経験によるものだろうか、このところは天気に一喜一憂しなくなった。夕刻、ひと仕事を終えて外へ出ると、昼からの雨は上がっていた。空は晴れ、南の空には月さえ見える。空気は湿り気を帯びつつも、とても爽やかだ。「あー、気持ちいいなぁ」と、思わず声を漏らす。
冬の、暖かい夜に降る雨が好きだ。その中を歩くことは更に好きだ。いくら好きでも、雨はもう止んでしまった。特に用事が無いにもかかわらず歩くわけにもいかない。終業後はワイン蔵に寄って、ドライシェリーと白ワインを棚から抜き取る。
できつつあるおかずの中の、トマトと茄子のオリーブオイル炒めをフォークに刺して、これをドライシェリーの肴にする。アンチョビを加えたら、より美味かろうと思う。
一番好きな映画は、浦山桐郎の「キューポラのある街」かも知れない。この中で、職を失った鋳物職人の辰五郎は、豆腐だけの湯豆腐を前に「鱈が入ると美味いんだがな」と呟いたらしい。そのことを、油にまみれて光るトマトと茄子にかじりつきつつ思い出す。
朝飯 細切り人参の炒り煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波と大根の葉とじゃこの炒り煮、ごぼうのたまり漬、なめこのたまり炊によるなめこおろし、メシ、南瓜と若布の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 TIO PEPE、トマトと茄子のオリーブオイル炒め、ブロッコリーのにんにく炒め、細切り人参のバターライス、3種のウィンナーソーセージ、ジャガイモのグラタン、Petit Chablis Billaud Simon 2016