2019.10.24 (木) いちばん好きな時間
「いちばん好きな時間って、どんなときですか」と20代のころに訊かれて「尻のポケットに文庫本を入れて『さぁ、今夜はどこの飲み屋へ行こうか』と考えているときです」と答えたことがある。それから40年ちかくを経ても、その「いちばん好きな時間」が変わらないのは、進歩が無い、ということなのだろうか。
もっとも僕の仕事は居職のようなもので、且つ家で夕食を摂ることを好む。だから僕の「さぁ、どこの飲み屋へ行こうか」には、稀少な機会を愉しむ、ということも含まれているのだと思う。
それが旅先では、来る日も来る日もひとり飲みである。話しかけてくる人はほとんどいないから、本も読み放題だ。正に、盆と正月が一度に来たようなものではないか。
とすれば「いちばん好きな時間って、どんなときですか」と訊かれたときには、今なら「ひとりで海外へ出かけるために、とりあえず地元の駅のプラットフォームで列車を待っているとき」と答えるべきかも知れない。そのときの気分には、高揚も不安もなく、普段と変わらない平坦さがあるばかりではあるのだけれど。
ところで旅先に持参する本は、尻のポケットには入らない。読むべき文字が枯渇しないよう、それらはおしなべて、数百ページから千ページを超える分厚いものだからだ。
朝飯 生玉子、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 「和光」のお通しのひじきの煮物、飛び魚の刺身、秋刀魚の塩焼き、もろきゅう、麦焼酎「吉四六」(お湯割り)