2019.10.12 (土) 「台風クラブ」はいまだ観ていない
「本日10月12日(土)は、台風19号の接近が伝えられていますが、上澤梅太郎商店は通常どおり、朝8時30分から夕方17時30分まで、営業いたします。どうぞお気をつけて、お出かけくださいませ。またお留守番の方は、どうぞ御身安全にお過ごしくださいませ」という文章を、朝、撮ったばかりの店の画像と共に、会社のfacebookページに上げる。雨風ともに、大したことはない。本日の口開けは、福島県からのお客様で、ご来店の時間は開店前の8時25分だった。
道の駅「日光街道ニコニコ本陣」のウチの売り場には、きのうの夕刻に売り切れた商品を補充し、少なくなってはいるものの、今日1日くらいは保つだろうと思われる品については「売り切れたときには、すぐに持って参りますので」と商業施設の方に告げて店に戻る。
「今日はお店、やってますか」という電話を午前中に何本か受ける。受注係のカワタユキさんも、おなじ内容の電話を何本か受けたようだ。
昼が近づくにつれて、風雨が強くなってくる。長男は日光の卸先である金谷ホテルさんと早見商店さんに、火事見舞いならぬ台風見舞いに出かけ、昼すぎに戻った。
4人の子どもを持つ包装係のタノイチカさんは、正午に退社をした。販売係のオバタタキコさんも昼に退社をした。包装主任のヤマダカオリさんに続いて包装係のセオヨーコさん、タカクコータロー君も、14時に退社をした。事務係のカワタユキさんに声をかけると「心配なので」と、14時30分に退社をした。風雨はますます激しくなる。
「開いてて良かったわー、日光からここまで来るあいだ、どこのお店も閉まってましたよー、まるでゴーストタウン。お土産が買えて嬉しいわー」と、午後に見えたお客様が喜んでくださる。
どこもかしこも店を閉じる状況の中で通常通りに営業をするとは、まぁ、ウチの美学のようなものだ。「美学とは大げさな」と言われれば、痩せ我慢、あるいは意地と言い換えても良い。実利、つまり損益分岐点比率を考えれば休んだ方が得策でも、どうにもそれはできかねる。
終業時まで残った社員は製造主任のマキシマトモカズ君、製造係のタカハシアキヒコ君、販売主任のハセガワタツヤ君、販売係のササキユータ君の4名。「とんでもないこと」が起きたら、それこそとんでもないことだが、それがない限り、今日のような非常時の雰囲気は、嫌いではない。
社員がすべて去った蔵の中にふたたび照明のスイッチを入れ、雨漏りが心配されるところを見てまわる。蔵の大屋根から玄関前の川に雨水を逃がすための、直径20センチのパイプが不気味な音を立てて揺れている。これについては週明けにでも、ハヤカワ住宅設備に診てもらうことにしよう。
夕食のテーブルには肉の塊があるにもかかわらず、孫のリコは非常食のインスタントラーメンを食わせろと泣いている。小さな子どものいる家は、なかなかに賑やかだ。
朝飯 ほうれん草のおひたし、なめこの醤油煮、茄子のソテー、納豆、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」と3種のぬか漬け、メシ、隼人瓜の味噌汁
昼飯 「金谷ホテルベーカリー」の2種のパン、コーヒー
晩飯 ラタトゥイユとオムレツを添えたレタスのサラダ、フレンチフライを添えたビーフステーキ、たまり漬「鬼おろしにんにく」によるガーリックライス、G7 The 7th Generation Cabernet Sauvignon 2018、きのうの残りのケーキ、Old Parr(生)