2019.10.5 (土) 日光金谷ホテルの「百年ライスカレー」
午前、東京からいらっしゃった取材の方を、蔵の中や隠居にご案内する。昼は日光金谷ホテルにお連れして「百年ライスカレー」を一緒に食べていただく。この「百年ライスカレー」は、2003年に日光金谷ホテルの蔵から発見された、大正時代のレシピに依っているところからこの名が付けられた、いわくつきのものだ。そしてその付け合わせは上澤梅太郎商店の「らっきょうのたまり漬」と「ホロホロふりかけ」、というところが更に佳、である。
「ビーフ、チキン、鴨のうち、どちらになさいますか」と問うと、目の前の若い女の人は「…チキンでお願いします」と遠慮がちに答えた。僕は我が意を得たりとばかりに「ですよねー」と思わず発してしまったが、何が「ですよねー」なのか、相手は理解できなかっただろう。インドに旅した者からすれば、カレーは断然、チキンだ。しかし金谷ホテルのカレーは洋食由来のものだ。とすれは、実際に順当なのはビーフかも知れない。
チキンの「百年ライスカレー」のルーをこんもりと盛られらごはんにかけ、スプーンでひとすくいして口に運ぶ。その甘さ、そしてココナツミルクを思わせる香りとコクは、まるでゲーンキヨワーンのようで、日本人は元より、このところ増えつつある東南アジアからの旅行客には特に、圧倒的に好まれること間違いない。
互いに紅茶とコーヒーを飲み終えてラウンジを去るころ、入口の椅子にはたくさんの待ち客がいた。正午前の到着は正解だった。1週間後の連休から先は、どれほど混み合うことか。というか、渋滞の中を、この歴史と格式を誇るホテルまで辿り着くのも困難かも知れない。
取材の方は下今市13:35発の上り特急でお帰りになった。きっと良い番組になるだろう。
朝飯 焼きトマトを添えた目玉焼き、大根おろしを薬味にした納豆、「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、刺身湯波、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とシメジの味噌汁
昼飯 「金谷ホテル」の「百年ライスカレー(チキン)」、付け合わせの「らっきょうのたまり漬(栃木県産小つぶちゃん)」と「ホロホロふりかけ」、コーヒー
晩飯 ジャガイモとツナとレタスのサラダ、トマトと浅蜊とグリーンアスパラガスのスパゲティ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、梨