2019.9.27 (金) タイ日記(9日目)
目を覚ましてからしばらくしてサイドボードにiPhoneを手探りし、見ると時刻は5時26分。僕としては、異例に遅い目覚めである。6時より部屋の洗濯機を回す。
朝食は、ホテルとバンラック市場のあいだの、いわば場外のようなところにあるクイティオ屋台でバミーナムを食べる。このあたりの汁麺屋では、ここがいちばん美味い。ルアットムー、つまり血豆腐のバケツを指し所望すると、オヤジはニコリともせず、それをふたつ麺に載せてくれた。
8時25分よりプールサイドに降りて、日除けの傘を開く。そして寝椅子で本を読む。チェンライの”Diamond Park Inn Chiang Rai Resort & Hotel”のプールでは、週末に水泳教室が開かれて、子どもの声が賑やかだった。しかしその賑やかさは、決して気になるものではなかった。ところが今日のプールに後から来た複数の親子連れの、親の方はどうにもうるさい。可愛さ故のことなのだろうけれど、ああしろ、こうしろと、水の中の子どもにやたらに指示を飛ばす。どこの国の、どこの地域の言葉かは分かりかねるが、声も大きければ、その発音も柔らかさを欠いている。「こりゃぁダメだ」と、10時45分に部屋に戻る。
ところでこのホテルでは、きのう来たときからシャワーは水しか出ない。今朝、それを1階のレセプションに伝えると、フロント係は即、受話器を取ってどこかの部署にそれを伝えてくれた。しかしプールから戻っても、シャワーは改善されていない。あるいは係は、洗面所にお湯が出ることを確認して「なんだ、出るじゃねぇか」と、シャワーまでは調べずに引き返したのかも知れない。ここはタイである。
昼は、チャルンクルン通りをサパーンタクシンの高架下から南に下った消防署のとなりの店で「茹で」と「揚げ」の双方を載せたカオマンガイを食べる。この店のスープは、まるで鈴虫の声のような香りがする。「鈴虫の声のような香りとは、どのような香りか」と問われれば「消防署の隣のカオマンガイ屋のスープの香り」としか答えようはない。
社員に土産を買ったりコモトリ君から土産をもらったりしたものの、スーツケースの中身は来るときより小さく収まって安心をした。夕刻、そのスーツケースを曳いて外へ出る。6月にタクシーを拾って渋滞に巻き込まれた失敗は繰り返さない。そしてBTSでトンローまで移動をして、オースワンを肴に今回の旅における最後の飲酒活動をする。
トンローから乗ったBTSをパヤタイでエアポートレイルリンクに乗り換え、21時前に空港に着く。
21:02 チェックインを完了。
21:20 保安検査場を抜ける。
21:34 パスポートコントロールの指紋読み取り機が、6月の訪タイ時に引き続いて、僕の指紋をまったく読まない。ちなみに羽田空港の指紋読み取り機も、僕の指紋には反応しない。
「こんな指紋押捺制度は止めちまえ」と思うが顔には出さない。そして目の前の係官に「私の指はとても乾いている」と、ニヤニヤしながら言う。「ハッ、ハッ、ハッ」と軍服のような制服を着たオジサン係官は声を上げて笑いつつ、裏手から女の人を呼んだ。その女の人が、ガラス板に押しつけた僕の指を、更に上から押さえつける。僕の両手の指10本の指紋は、ようやくタイのどこかのデータベースに登録をされた。僕の後ろに並んだ数十人は、さぞかし胸をなでおろしたことだろう。
D1Aの搭乗口に向かう途中、チェンライで買った社員へのお土産とおなじものが3.9倍の値段で売られている。搭乗口が見えてくるあたりの自動販売機で、街で買うより10倍ほども高い40バーツのミネラルウォーターを買う。
搭乗口からバスで運ばれた先で、飛行機へのタラップを上る。時刻は23時35分。その4分後に69Jの席に着く。以降の記憶は、無い。
朝飯 チャルンクルン通りソイ46を西に入って右側のクイティオ屋台のバミーナム(トッピングのルアットムーは特注)
昼飯 “Meng Pochana(Lek)”のカオマンガイ(トムトーパッソム)
晩飯 “55 Pochana”のオースワン、“ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)