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清閑 PERSONAL DIARY

2019.9.26 (木) タイ日記(8日目)

チェックアウトを済ませてロビーのソファで休んでいると、エレベータの「開」ボタンを押す係のオジサンが、わざわざ挨拶に来てくれた。来年もまた、このホテルを訪れることができれば幸いである。

やがて迎えのタクシーが来て、ベルボーイがスーツケースをそのタクシーに運ぶ途中で、8時の時報のカウントダウンが、庭のどこかに設置されているらしいスピーカーから鳴り始めた。8時ちょうどよりそのスピーカーから国王賛歌が流れ始め、我々は直立をしながら、その曲の終わりを待つ。「またいらっしゃってください」とベルボーイが言う。「また9月ね」と僕は答えつつ「ことによると次は3月かも知れない」と考える。

緑濃い崖下の道に、朝日が斜めに差す空港には8時20分に着いた。スーツケースの鍵が壊された経験によるものか、これまで気づかなかった、AOTのエアポートセキュリティがチェンライの空港にもあったことを知る。初日にこの空港でスーツケースを受け取り、タクシーの切符を買う前に鍵のことに気づいていれば、真っ先にここを訪ねていただろう

実はチェンライに入って何日目かに、バンコク在住の同級生コモトリケー君より電話が入り「日記で画像を見たけれど、その鍵の壊しようは空港の検査などではなく盗人の仕業だから、スワンナプーム空港に着いたら即、ツーリストポリスに申し出ろ、荷物の仕分け場には監視カメラがあるはずだから、犯人は特定できるはずだ、お前のように泣き寝入りをするヤツがいるから、こういうことが絶えないのだ、徹底的に騒げ」という意味のことを言われた。しかしここは、ほとんどのことにタガの外れたタイで、しかも僕は時間が惜しい。しかしまぁ、バンコクに着いたら、とりあえずは空港内の警察を訪ねてみよう。

きのう書いたハガキを出そうと、空港内の郵便局が開くのを待っていたが、9時を過ぎてもシャッターは閉まったままだ。よって9時10分に保安検査場へ向かう。搭乗口は、ボーディングパスにある9時15分ちょうどに開いた。”AIRBUS A320″を機材とする”PG231″は、定刻より2分はやい9時43分にチェンライの空港を離陸。そしてバンコクには定刻より25分も早い10時50分に着陸をした。

回転台から出てきたスーツケースを曳いて、先ずは4階Wカウンター奥の郵便局を訪ねる。15バーツの切手15枚を買って、きのう書いた葉書に貼る。そしてそれを局員に手渡す。次は5階の到着階に戻り、ツーリストポリスの扉を押す。

「スーツケースを壊されました。東京からチェンライまでのあいだに、です」
「東京を発ったときの航空会社はタイ航空ですね、すぐ近くですので、そちらの事務所でお訊ねください」

そこでタイ航空の事務所でおなじことを伝えると「チェンライに着いたときの航空会社はバンコクエアウェイズですね、すぐ近くですので、そちらの事務所にお回りください」と言われて「やっぱり」と、可能な限り早く街へ出るべく、下りのエスカレータに乗る。惜しいのは時間である。スーツケースの修理に保険金など出なくても良いではないか。

12:11 エアポートレイルリンクの車両が空港を出発。
12:40 パヤタイ着。
12:50 BTSスクムビット線の車両がパヤタイを出発。
13:07 シーロムで乗り換えたBTSシーロム線の車両がサパーンタクシンに着。
13:13 定宿のセンターポイントシーロムに着く。

「リピートのお客様でいらっしゃいますよね、私、お顔、覚えています」と、エレベータの中でベルボーイは口を開いた。

「チェンライは寒かったですか」
「ちょうど良かったよ」
「バンコクは雨ばかりです」
「それは夕立?」
「いえ、時を選ばず、です」

ベルボーイは「バンコクは雨ばかり」と言っていたけれど、そしていまタイは雨期ではあるけれど、空は今日も晴れている。今回の僕は、こと天気に限っては、運が良いのかも知れない

服を着替えて、先ずはホテルの前のチャルンクルン通りに出る。そしてバンラック市場の入口にある食器屋を覗く。シーロム通りとの交差点で向かいの歩道に渡り、ふたたび南へ戻る。お粥の「ジョークプリンス」は、これまでの路地からすぐ左手に実店舗を構えていた。ここの店主のオネーサンは、中華系タイ人としては異例に笑顔が良い。

そのまま歩いて、何年か前にステンレスのコップを買った「泰成發」で、おなじものを買う。愛用していたそれは、何日か前にチェンライのフードコートに置き忘れたらしく、紛失をしていたのだ。屋台やフードコートで出されるプラスティック製のコップが気に入らないゆえの持ち物である。

夕刻にコモトリ君とサラデーンで待ち合わせ、シーロムまで移動をして、食事を共にする。帰りはコモトリ君の会社のクルマでサラデーンまで送ってもらい、BTSに乗ったは良いものの、眠りこけて終点のバンワーで、あれは乗客だったのか駅員だったのか、とにかく女の人に起こされた。そしてサパーンタクシンまで戻り、財布やカメラやiPhoneを入れた手提げと共に、無事、ホテルに帰る。


朝飯 “THE RIVERIE BY KATATHANI”の朝のブッフェ其の一其の二
昼飯 “PG231″の機内食
晩飯 「紅燈籠」の酸辣土豆絲清炒蝦仁回鍋肉腰花炒芹菜時菜炒麺ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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