2019.7.22 (月) 簡便な行い
14歳か15歳のころ、宇都宮の豪農を訪ねた。先ずはその、堀に囲まれた屋敷の豪壮さに驚いた。座敷に上がってお茶を出されたときには、そのお茶の温度の低さに驚かされた。年端が行かなくても「なるほど本当の煎茶ってのは熱くないものなんだな」と得心をした。
煎茶には摂氏60度のお湯を用い、茶葉とそのお湯を急須の中に留める時間は90秒と、どこかで教えられた気がする。そしてこれを実行してみると、沸騰したお湯を60度まで冷ますには結構な手間と時間のかかることが分かる。
先日までは夜の仕事が多かった。しかしこのところはその仕事が夜から早朝に移った。起きてティファールの電気ポットでお湯を沸かし、それを仏壇用と僕用の、2客の湯飲みに満たす。その湯飲みが湯の温度を奪って手に持てないほど熱くなったところを見計らって、別の2客の器にお湯を移す。そしてそれをそのままにして製造現場へ降り、作業の準備のみして4階の食堂に戻る。器の湯にタニタの温度計を差し込むと、いまだ温度は70度までしか下がっていない。事ほど左様に、お茶を淹れるとは時間のかかることなのだ。
もっとも昔の人は、お茶を淹れようとすれば先ずは井戸の水を汲み、炭を熾すところから始めたわけで、それを考えれば、僕のしていることなどはそれこそとんでもなく簡便な行いに違いない。
朝飯 獅子唐の炒りつけ、納豆、巻湯波の淡味炊き、牛肉のしぐれ煮、胡瓜のぬか漬け、みょうがのたまり漬、メシ、若布と油揚げと万能葱の味噌汁
昼飯 茄子の油炒めとみょうがのたまり漬の汁で食べる黒胡麻素麺
晩飯 トマトとレタスとベビーリーフのサラダ、ジャガイモと人参のホカホカ焼きとブロッコリーのソテーと今月13日に仕込んだソースを添えたビーフステーキ、Almaviva 1997、桃、チョコレート、Old Parr(生)