2016.12.24 (土) 満を持して
1980年代から90年代にかけて、僕が蔵、つまり製造現場に入っているときには、特に年末においては会社の敷地から一歩も出ることなく一週間が過ぎる、という日々が続いた。そういうときの一番の楽しみは、製造現場から内線電話で家内に夕食の内容を訊き、それに合わせる酒を決めることだった。
冷蔵庫のチルド室にはきのうから牛肉が納められている。ワインは酒は暖房の訊いていない応接間に今朝から立てて、澱を沈めている。今夜のステーキは、玉葱をたっぷり含んだソースで食べたいと、昼のうちから考えていた。
夜、洗濯場の一角から玉葱1個を食堂に持ち来て、おろし金ですり下ろす。それをステンレスのボウルに満たし、たまり漬の「鬼おろしにんにく」をたっぷり、おなじくたまり漬の「刻みザクザクしょうが」をすこし加え、醤油をかけまわす。そこにレモンまるごと1個の果汁を搾り入れる。最後にそのボウルを電磁調理器に載せ、ほんの短いあいだ熱を加える。
この、満を持して作ったソースを焼き上がったばかりのステーキに添えて食べる。いと、美味し。
朝飯 納豆、生のトマト、ベーコンエッグ、油揚げの網焼き、穴子の佃煮、昆布の沖縄風炒め、メシ、白菜とベーコンの味噌汁
昼飯 朝飯のおかずを流用した弁当
晩飯 トマトとレタスと玉葱のサラダ、ビーフステーキ、“Bourgogne LEROY 2000”、アップルパイ