2019.6.21 (金) タイ日記(2日目)
泊まっている”The Residence on Thonglor”は、どうも壁が薄いらしい。ファランの騒ぐ声で目を覚ます。時刻は3時10分。僕は素っ裸で、しかもベッドの中ではなく、シーツでくるまれた掛け布団の上で寝ていた。このような、風邪の元になるようなことは、厳に慎まなくてはならない。
朝の散歩は、ホテルのあるsoi25付近から北へ進み、センセーブ運河に架かる橋を渡ってトンローの通りの北端まで行く。突き当たったところはペッブリーの大通りだった。そこできびすを返し、トンローの桟橋からふたたび橋の上に昇って南へ戻る。その途中、先ほどまで行列のできていた路上のぶっかけメシ屋で朝食を摂る。
3月の訪タイ時に持ち帰ったバーツは4,666.5バーツ。僕は旅先では、日本にいるときよりもお金は使わない。行き先が田舎であれば、これで1週間は充分に持ちこたえられるだろう。しかし冷静に考えてみれば、今回は、これだけではとても足りない。午前のうちに舟でプラトゥーナムへ行き、カオマンガイの繁盛店が並ぶ界隈を歩いて運河の太鼓橋を渡る。その先にかたまってある3軒の両替屋スーパーリッチのレートを調べると、2軒が1万円あたり2,860バーツ、1軒が2,855バーツ。よってレートの良い2軒のうちの1軒で10万円をタイバーツに替える。帰りの舟は大型の急行で、これには初めて乗った。
さて、明日はバンコク在住の同級生コモトリケー君と夕食を共にすべく待ち合わせをしている。場所はルンピニーのQハウスにあるホーキッチンの前。僕にとっては未知の場所にて、土壇場で齟齬を来してはいけない。日が中天にさしかかるころに赤バス、BTS、MRTを乗り継いで、ルンピニーまで行ってみる。しかし当該のホーキッチンは見あたらない。馬蹄形のカウンターの案内で訊ねても、オネーサンは知らないと言う。取りあえずは撤収である。
MRTでスクムビットまで戻ったところで空腹に耐えられなくなる。時刻は13時40分。すこし歩いて昨年の6月に来た中華料理屋に行ってみる。オジサンは入口の常温の席ではなく、冷房の効いた奥へのガラスの戸を引いて僕に手招きをした。メニュで選んだ香港炒麺はできないとのことで「こちらならある」とオジサンが勧めた福建炒麺で胃を満たす。
トンローに滞在をすると、この、南北に延びる総延長2.5キロの通りのどこからでも乗れてどこででも降りられる赤バスには、数え切れないほど世話になる。始発から乗った赤バスの右はす向かいに「歩くバンコク」のところどころに付箋を貼った中年の女の人が座って、不安そうに窓から左右を見ている。声をかけると、グランドセンターポイントで人と待ち合わせをしているという。そこはsoi9の真ん前だ。ちょうどそこに差しかかったところで僕は昇降口の上のボタンを押し、女の人には右手を指さし、黒と金色の、そのホテルを教えて上げる。女の人は僕と車掌に礼を述べて降りていった。
午後はほとんどプールサイドで本を読む。きのうの日記にも書いたことだが、ここのプールには日傘が無い。仰向けで本を読んでいると、顔も胸も腹も、ごく短い時間で焼けるように熱くなる。そのたび水に入ってからだを冷ます。
日が西に傾くころに、ようやくシャワーを浴びて部屋へ戻る。充電中のiPhoneを取り上げ見ると、バンコクMGの前夜祭は19時からの予定だったものの、18時ころから三々五々、集まりはじめる旨の知らせがタナカタカシさんから届いていた。急がなくてはならない。
家族が使おうとすれば間違いなく「止めろ」と反対をするだろうバイタクを捉まえて「トンロー、パクソイ」と告げる。バイタクの運転手はヘルメットをかぶり、手袋までしている。それに対して客は丸腰というかなんというか、身を守るものは何も無い。バイタクは混み合うバスやクルマの間をすり抜け、最後は反対車線を時速50キロで飛ばして、またたく間にスクムヴィットの大通りに達した。
バンコクMGの前夜祭には実に15名が集まった。会話を交わしながらの飲み食いは楽しいものの、僕は夜には極端に弱い。21時がちかくなると、席に着いたまま幾度も眠りに落ちた。
横断歩道の見あたらないスクムヴィットの大通りは、BTSの駅を歩道橋のようにして南側から北側に渡る。そして始発で客を待っていた赤バスに乗る。その赤バスの中でも眠って、車掌に起こされる。2度目は隣の乗客と車掌に起こされる。最初に起こされたときに「自分の行き先はsoi25」とでも告げていたのだろう、赤バスはホテルの前にぴたりと着けられていた。盗人がいれば身ぐるみを剥がれていても不思議でない状況である。親切なタイ人には大いに感謝をしたい。
朝飯 トンローsoi25をすこし北に上がった路上のぶっかけメシ屋のパックブンファイデーンとカイダーオをのせたごはん
昼飯 「堂記酒楼」の福建炒麺
晩飯 「スクンビットシャークフィン」のヤムウンセンプラムーク、クンオップウンセン、プーパッポンカリー、カオパップー、フカヒレスープ、他あれこれ、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)