2019.5.2 (木) 一汁一菜
簡素な朝食といえば一汁一菜。その「一菜」には、それだけで一膳のごはんを食べ終えることのできる性質が必要だ。塩分濃度の高さから、歯の先でかすめ取ったくらいの量しか一度に食べられない腐乳などは、その性質を充分に持ち合わせているとは思うけれど、腐乳を朝食のおかずにする気にはなれない。
飲み屋のようにして使っていた銀座の古い店に、あるとき、近所に住むらしいお婆さんたちが、観劇の帰りでもあったのだろうか、夕食を摂りにあらわれた。お婆さんたちは、僕からすれば、まるでままごとに使うほどの可愛らしさに見える茶碗のごはんを、いくつかの小鉢に盛られた慎ましやかな、まぁ、値段の方はそれほど慎ましやかでもなかっただろうけれど、とにかく、普通に見えて、しかし現代の食卓にはなかなか上らなくなったたぐいのあれこれをおかずにして、楽しそうに食べていた。
僕はお婆さんではないので、だし巻き玉子や胡瓜の酢の物のような塩気の少ないものは、酒の肴としてならともかく、ごはんのおかずにはできない。よって今朝は鰯の丸干しを焼いてもらった。味噌汁は意図して具だくさんにした。そうしてその簡素な朝食を極めて満足しながら食べ終えて、7時15分に仕事場へと降りる。
朝飯 鰯の丸干し、ふきのとうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、若布と揚げ湯波と椎茸とキャベツの味噌汁
昼飯 ざるラーメン
晩飯 “Parrot”のクラブハウスサンドイッチ、“evodia”、家に帰ってからのチョコレート、”Old Parr”(生)