2016.12.13 (火) 動物園の檻
「明日は部屋の片づけ。捨てすぎに注意しよう」と先日、誰かがウェブログに書いていた。「うん、よく分かる」と、僕は腹の中で呟いた。
人に譲るにしろ捨てるにしろ、自分の身のまわりからモノを消し去る、つまり整理を行うと、モノの無い爽快さがやみつきになり、何でもかでも捨てたくなることがある。
この40年のあいだ玄関の上がりがまちに張られていた格子模様の床が嫌で堪らない、できれば無垢の板、それが叶わないならせめて木目のシートにしたいと家内が言い出した。玄関の床がどのような模様だろうと僕は気にしない。しかし「そこまで言うなら」と、家内の希望を容れることにした。
それに先立ち玄関を入った正面の、バンダチと呼ぶにはいささか派手に感じられる、とにかく朝鮮の飾り箪笥をどかさなくてはならない。そうしてそれを倉庫に片付けると、玄関からはすべてのモノが消えた。
「動物園の檻の中でもあるまいに」と、誰だったかいわゆる「断捨離」や「ミニマリスト的生活」を嫌う人が言っていたけれど、玄関がまるで「動物園の檻の中」のようになってみれば、これはこれで悪くない。
木目のシートが敷かれても、朝鮮の箪笥は倉庫に収めたまま、玄関には戻さないような気がしている。第一その方が、掃除も楽ではないか。
朝飯 ほうれん草と海苔のおひたし、豆腐の炒り卵、納豆、じゃこ、たまり漬「鬼おろしにんにく」、メシ、昆布と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌バターラーメン
晩飯 蕪とレタスとポテトのサラダを添えた豚の生姜焼き、“Chablis Billaud Simon 2014”、アップルパイ、自由学園のクッキー、”VINA MAIPO Cabernet Sauvignon/Merlot 2015″