2019.4.3 (水) どこで読むか
雑誌のブルータスが1980年代に「がんばれ文学」と名付けた特集をした。その中で特に面白かったのが「これこれの人には、これこれの本を贈りたい」と、各界の人たちが、みずから適当と考えるそれぞれを挙げた一角だった。
「中学生に贈る3冊」という企画があれば、僕は迷わず以下を選ぶ。
「ボクの音楽武者修行」 小澤征爾 新潮文庫
「がむしゃら1500キロ」 浮谷東次郎 ちくま文庫、新潮文庫
「青春を山に賭けて」 植村直己 文春文庫
これらすべては、紀行文と言っても差し支えはない。正岡子規の「病床六尺」も夏目漱石の「硝子戸の中」も悪くはないけれど、遠くへ出かける、その出発までのこと、道中、出かけた先でのことを書いた文章が好きだ。
ところで学生のころに手に入れ、しかしその後に行方をくらませ、今になれば惜しく感じる2冊が以下だ。
「ミニ・ストーリー 小型車の革命」 ローレンス・ポメロイ著 小林彰太郎訳 二玄社
「世界最長ラリーに挑戦して」 三本和彦 二玄社
このうちの後者は、ロンドンを出発してフランス、イタリア、ユーゴスラビア、ブルガリア、トルコ、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インドと来てボンベイでクルマを船積み。オーストラリア南西端のフリーマントルに上陸し、東海岸のシドニーまでを走り抜く過酷な自動車競争に参加をした記録で、広義においては、やはり紀行文の範疇に入るだろう。見失ったこれをふたたび書架に加えようとしながら、しかしその値段の高さにいつも諦めてきた。
ところが先日、これまで何度してきたか数え切れないけれど、amazonにその書名を入れてみると、2,000円台、送料を入れても3,000円と少々の古書が出ていたので、思わず「カートに入れる」ボタンをクリックした。
本日、届いた包みを開けて、その本を確認する。47年前の出版だから「ヤケ」は小口の奥まで及んでいるものの、傷みは無い。よってこれにモツ焼きのタレやチューハイを垂らすことは避けたい。僕は活字中毒ではあるけれど、家ではほとんど本は読まない。どこで読むかが大問題、である。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、納豆、玉子焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、切り昆布の炒り煮、塩らっきょう、ふきのとうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」を注した大根おろし、それを添えただし巻き玉子、冷やしトマト、里芋と牛肉の肉じゃが風、大根と胡瓜と人参のぬか漬け、豆腐と揚げ湯波と大根の味噌汁、麦焼酎「黒麹道」(お湯割り)、西湖、”Chablis Billaud Simon 2015″