2016.12.5 (月) 朝の景色
早朝、前夜に降ろされた遮光カーテンには触らないまま、食堂のテーブルであれやこれやする。道路の水を切って走るクルマの音が聞こえてくる。「雨か」と、普段であればとうに外光を入れる時間になってもカーテンはそのままにしている。
いよいよ味噌汁を作る時間になって、ようよう、天井から下がったプラスティック製の鎖をたぐり降ろし、カーテンを巻き上げる。すると外には予期せず、紺色から青に薄れつつある空と朝日があった。夜に降った雨が明け方に上がっていきなり晴れるとは、僕のもっとも好きな朝の景色だ。
普段、店は定時の5分前に開ける。それを今朝は、その30分以上も前から扉を開け放ってしまう。
「朝は、何もかもが澄んでいる」と思いかけて「いや、朝に限るものでもないわな」と、その感懐を覆す。手入れの行き届いた鮨屋や酒場では、開店直後に限るけれど、夕刻であってもその空気は澄んでいる。冬の雨の夜の空気も、また澄んでいるのだ。
濡れたアスファルトと晴れた空、そして店の、朝日を受けて光る白壁をもういちど眺めてから事務室に戻る。
朝飯 なめこのたまり炊きのフワトロ玉子、たまり漬「刻みザクザクしょうが」、昆布の沖縄風炒め、胡瓜と大根のぬか漬け、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、メシ、シジミと三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 蕪とレタスのサラダ、チーズと目玉焼きのスパゲティ魚醤風味、鶏肉の柚ソテー、2種のチーズ、“Chablis Billaud Simon 2014”