2016.12.4 (日) 濃い紅色の睡蓮
僕に決まった休日は無い。会社は、ほぼ年中無休である。社員が出社をすれば報告、連絡、依頼。店が開けば来客と電話が相次ぎ、時にはそれぞれ別の用件を持つ3人を相手に話をしなければならない。それだけに、朝の2時台、3時台に起きて6時までの、ひとりの時間は貴重だ。
昨年の2月は外務省の渡航禁止勧告を無視してタイ深南部ナラティワートで数日を過ごした。来年も、年が明け、1月の繁忙が過ぎたらどこかへ行きたい。
生来、薄着が好きだ。名所旧跡に興味は無い。行った先ですることは飲酒喫飯、散歩、本読み、水泳くらいのものである。物価は安い方が有り難い。自分以外の旅行者にはできるだけ遭遇したくない。これらの条件を満たすところといえば、先ずは東南アジアの田舎だ。東南アジアではベトナムもカンボジアもミャンマーも経験はしているけれど、なぜタイばかりに惹かれるのか、その理由が自分でも分からない。
食堂のテーブルに資料を並べ、あれやこれや考える。出かける前の「あれやこれや考える」が、僕の場合には旅の楽しみのかなりの部分を占める。
羽田空港00:20発のタイ航空機に乗れば6時間後、つまりタイ時間の4時台にはスワンナプーム空港に着く。朝の入国審査場は混み合っていない。5時台にタクシーに乗り、6時台にファランポーン駅に着く。そのころ櫛形のプラットフォームには、各地方への”Rapid”が次々と入線をしてくる筈だ。
10時間ほども列車に揺られれば、かなりの田舎まで達することができる。そのくらいの移動時間なら3等車で充分だ。というか3等車がいちばん、その国の空気を感じられるのだ。車窓から眺める青い空、白い雲、赤い土。灌木、水牛、そして濃い紅色の睡蓮。空想は膨らむばかりである。
朝飯 ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、牛蒡と人参のきんぴら、たまり漬「刻みザクザクしょうが」、しもつかり、ほうれん草のソテー、納豆、メシ、白菜とトマトの味噌汁
昼飯 弁当
晩飯 3種のキムチ、3種のナムル、春雨炒め、牛肉と浅蜊のスープ、豚ホルモンとニラともやしの炒め、芋焼酎「八幡」(お湯割り)