2018.8.17 (金) 日光は、秋
朝、起きて食堂に来ると、これまでは、その暑さに辟易したならエアコンディショナーの冷房の、そこまででなければ除湿のスイッチを入れ、更に凌ぎやすいようであればエアコンディショナーには頼らず、窓を開けて部屋に風を通していた。しかし今朝は、それら3つの選択肢のうちのどれも必要ないとからだが判断したのだろう、気づくと食卓にコンピュータを開きつつ、1時間ほどが過ぎていた。
朝食を済ませて事務室から外へ出る。風が秋の気配を含んでいる。駐車場の隅にいつの間にか増えた鉄砲百合は、一斉に花を咲かせた。お盆を過ぎた途端、季節は夏からいきなり秋になってしまったのだろうか。両手の平と指先が早くも荒れ始めている。頭よりもからだの方が正直に、秋の到来を認めているのだ。
店が開く前に如来寺のお墓に自転車を乗り入れ、4日前に供えた花を片付ける。花立ては水場で洗い、線香立ては中に残った線香を捨てて、これもまた水で洗う。
閉店後、家を出るときこそ明るかったものの、山あいの料理屋に着くころには、日はとっぷりと暮れていた。その暗さと共に、はじめて訪ねる店のため、クルマを停める場所を見つけるまでしばらくかかった。砂利の駐車場から庭を横切れば、玄関は目の鼻の先にあるらしい。しかしそうと分かっていながらわざと正面へと回り、土蔵づくりの門をくぐる。そうしてひと晩ひと組限定の客として、家内と静かに飲酒喫飯をする。
朝飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、納豆、トマトのソテーを添えた目玉焼き、蓮根の薩摩揚げの甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、すぐき、メシ、豆腐とオクラの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 「炉心庵」の其の一、其の二、菊姫山廃純米(燗)、其の三、其の四、其の五、〆張鶴純純米吟醸(燗)、其の六、其の七、其の八、自家製梅酒(生)