2018.6.24 (日) タイ日記(4日目)
iPhoneの時刻表示は3時41分だった。この時間まで眠れれば、僕としては上出来である。お湯を沸かして粉末のスープを飲んだり、あるいはきのうの日記を書くうち夜が明けてくる。
MGの、9時の開場に遅刻をするわけにはいかないから、8時10分に部屋を出る。トンローの赤バスは、曜日や時間帯により出発が5分おきから10分おきに変わる。その赤バスをsoi7のすこし先で降りる。時間の余裕は充分にある。soi19のあたりまで歩きながら、MGについていろいろと考える。
MG2日目の朝の講義は決まって、利益感度分析についてのものだ。イツジリュースケさんの、まるでインストラクターの意を汲んだような質問が、参加者の意欲の増進と理解を助ける。
短い休憩を挟んで、いよいよ第4期のゲームが近づいてくる。きのうの第3期に赤字を覚悟しつつ次期繰り越しした教育チップ1枚と研究開発チップ3枚を虎の子にして、今期は凌いでいかなければならない。
その第4期の成績は、損益分岐点比率64パーセントで、自己資本は327円。ここまで持ち上げれば、来期の長期借り入れが楽になる。次期繰越チップは、教育チップが1枚と研究開発チップが5枚。同卓のオーサトテツヤさんが、期末の資金ショートにより材料を売りたがっていた。その材料6個を1個あたり12円で買って、在庫を20個にする。また、アタッチメント付き小型機械を、やはり同卓のスズキタカノリさんに期首簿価の58円で売却する。
泣いても笑ってもMGではこれが最後の第5期が始まる。226円の長期借り入れをして無災害倉庫ふたつを揃えると、現金残高は161円。
親を決めるジャンケンで勝って、1手目は32円で5個の販売。
2手目は「セールスマン退職」のリスクカードでセールスマンが1人になる。
3手目で大型機械を買う。
4手目は仕掛品4個と材料6個を完成投入。
5手目はセールスマンを採用。
6手目は広告宣伝チップを購入。
7手目は「セールスマン退職」のリスクカードで、セールスマンはふたたび1人。
8手目は12円の材料4個を買う。
9手目は「研究開発成功」のリスクカードで、32円で2個の販売。
10手目は仕掛品6個と材料4個を完成投入。
11手目は、ふたたびセールスマンを採用。
12手目は「各社共通」で12円の材料3個を買う。
13手目は、32円の市場に6個と28円の市場に1個を販売。ここから広告宣伝チップが活きてくる。
43手目で第5期のゲームを終了。成績は、365円という、僕としては大きめの経常利益を上げて、損益分岐点比率は58パーセント。自己資本は504円、次期繰越在庫は10個、次期繰越戦略チップは3個で、成績はSの++。
MGは、第5期が終わったときに、10個以上の在庫と3個以上の戦略チップを第6期に繰り越しつつ、且つ自己資本の高かった人が勝ちとなる。勝った人が偉いという考えはMGには無いものの、勝敗はゲームに緊張と面白さを生む。
今回の最優秀経営者賞は、九州から参加のヤマモトダイスケさんで、到達自己資本は642万バーツ。優秀経営者賞は島根県から参加のウエダヒデノリさんで、到達自己資本は529万バーツ。もうひとりの優秀経営者賞は、広島県から参加のイツジリュースケさんで、自己資本は518万バーツだった。1位のヤマモトダイスケさんの巧者ぶりはグラフを見れば明らかなように、MGでは実質的な創業年にあたる第2期から一度も赤字に陥っていない。
計数力、昇り竜、自己資本、PQ区間賞の「ことがら表彰」で驚いたのは、島根県から参加したブラジル人サトールシアーノさんの計数力第1位だ。サトーさんは漢字が読めない。マトリックス決算書のどこにどの数字を入れるかは、マスの位置で覚えているという。まさに異能の人である。
計数力次点のタダジュンさんの成績は自己資本マイナス244円の大型倒産だが、これは実際の会社では試すことのできない荒唐無稽な経営を、MGを使って図上演習した結果である。学びは非常に大きなものだっただろう。
原稿用紙に2枚ほどの感想文を書き上げると時刻は17時。記念写真を撮って、急いでエレベータに乗る。
僕は夜には極端い弱い。翌日にもMGを控えた1日目の交流会に出ないのは、そのことが関係しているところもある。しかし今日の交流会には参加ができる。トンローのsoi10を東に進み、エカマイの通りに出たら南に下る。そうして気楽なタイ食堂で歓談を交わしつつ、ペットボトルに詰めて持ち込んだラオカーオをソーダで割って飲む。
交流会はいまだたけなわだったものの、眠気を覚えて19時15分にいとまを告げる。来た道を戻り、トンローの通りに出て赤バスを停める。裏道に入って終点に向かうバスが、その裏道からスクムビット通りに出る直前で降りる。
酔っているせいか、ホテルのあるsoi49のパクソイを見つけることができない。スクムビット通りを往って帰ってまた戻り、ようやくホテルのドアを押す。時刻は19時51分になっていた。
きのうに続いて風呂に湯を張り、からだを休める。そして足を石鹸で丁寧に洗う。以降のことはよく覚えていない。
朝飯 “ADELPGI FORTY-NINE”の朝のブッフェの目玉焼きとサラダ、トースト、コーヒー
昼飯 MG会場のお弁当
晩飯 「サバーイジャイ」のソムタムとカオニャオとガイヤーンのセット、コームーヤーン、ラープモォ、プーパッポンカリー、パックブンファイデーン、トムヤムクン、カオパッ、オースワン、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)