2018.6.12 (火) 演歌巡礼
「今、一番うまいと感じるものは何か」と先日、考えた。真っ先に浮かんだのは、朝、自分で作る味噌汁だった。その味噌汁を、5日ぶりに口にする。
家以外のところにいるときには、その時、その場の朝食で一向に苦にならない。しかし家にいる限り、朝は和食、そして夜は、まぁ毎日である必要はないけれど、洋食が嬉しい。そしてこれは正に、僕の幼児期からの、朝食と夕食の組み合わせである。
5月の連休が過ぎて、日光市東郷町の「ふじや」に冷やし味噌ラーメンが出始めると「さて、この夏は、これを何回、食べられるだろう」と、大げさに言えばワクワクする。しかし今日の気温は、冷たいラーメンが欲しくなるほどには高くない。13時45分に豆板醤入りの熱いラーメンを食べている最中に、まるでインドシナに降るような豪雨の音を背中に感じる。
「いずれ15分ほどで止む」と予想したその雨は、10分足らずで上がった。そのすきを突いて会社に戻ると、雨と風を避けるためだろう、ノレンは犬走りの軒下から外されて、事務室の中に入れられていた。
物忘れの激しいたちだから、必要なことはあらかじめ、事務机の左に提げたカレンダーに書いておく。今日のそのところには「演歌巡礼 忘れずに行く」という赤い文字がある。
栃木県塩谷郡船生村出身の作曲家・船村徹先生とは縁あって、幾度か酒席をおなじくさせていただいた。芸能の世界で長く生きていれば、さぞかしアクの強い人物だろうと、なかば及び腰でお目にかかった先生は、案に相違して、おっとりとして上品な”humorist”だった。その先生の遣いとして10年半のあいだ、日光市の楽想館から数え切れないほどウチの店に通ってくださった内弟子が村木弾の芸名を得て凱旋するとなれば、これは訪ねていって、楽屋見舞いのひとつも差し入れなければ気が済まない。
そういう次第にて、らっきょうのたまり漬の入った箱を抱え、15時30分に道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の船村徹記念館におもむく。
朝飯 人参とブロッコリーのスープ煮、じゃこ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、切り昆布の炒り煮、ベーコンエッグ、納豆、ごぼうのたまり漬、メシ、浅蜊と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 ニース風サラダ、トースト、鶏とマッシュルームのグラタン、“TIO PEPE”、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”