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清閑 PERSONAL DIARY

2018.6.7 (木) ベトナム日記(1日目)

目を覚まして枕の下からiPhoneを取り出す。時刻は2時25分だった。そのまま起きて服を着る。クローゼットの扉を開き、チェストの左手からスーツケースを引き出す。整頓が為されていれば、真っ暗闇の中でも行動は円滑である。

旅行中の着替えはきのうの夜のうちに応接間に出しておいた。必要な持ち物も、おなじくきのうのうちに紙に印刷をして応接間のテーブルの上に置いておいた。そして3時10分より、その紙の一覧表に従って荷造りを始める。栃木県味噌工業協同組合が隔年で開催する親睦旅行の、今日は出発日である。

12:00 ジンボタカシさんのクルマに乗せていただき会社を出る。
12:40 柳田車庫着
13:12 マロニエ号で柳田車庫発
15:17 成田空港第2ターミナル着
15:55 チェックインを完了。スーツケースの重さは6.8キロ

16:00 保安検査場を抜ける。
16:18 サクララウンジに入る。幾枚もの皿に山盛りの食べ物を取り分け「ここぞ」とばかりに頬張る人がいる。当方の胃袋には昼のおむすびが居座って、水しか飲めない。
17:05 そのサクララウンジで席を移し、きのうの日記をサーバに上げる。
18:10 ボーディング開始

初めて経験するプレミアムエコノミーの席は、予想した以上に幅が広かった足元の余裕も充分である。リクライニングの構造もよく考えられていて、後席の乗客にはほとんど迷惑のかからないよう工夫がされている。

18:48 “BOEING 787-9″を機材とする”JAL751″は、定刻に23分おくれて離陸。
19:15 飲物を勧められてトマトジュースを飲む。
19:30 機内食の配膳が始まる。
21:42 目を覚ますと機内の明かりが落とされている。機は景徳鎮のちかくを飛んでいる
23:00 ふたたび目を覚ます。機内の照明が点けられている。南寧のちかくを飛んでいる。

定刻より28分はやい日本時間23:42、ベトナム時間21:42にノイバイ空港に着陸。以降の時間の表記はベトナム時間とする。

21:59 「ノーヴィザ」と訊かれたので「ノーヴィザ」と答えてパスポートコントロールを抜ける。入国カードは不要。
22:10 ターンテーブルからスーツケースを引き上げる。

可及的速やかにタバコを吸いたい同行者3名には先に外へ出ていただき、ロビーの両替所を素早く見ていく。声をかけてきたオネーサンにレートを訊くと1万円あたり201万ドンというので、先ほど”205″の数字が目に付いたブースに戻り、1万円のみ両替をする。レシートには2,054,500の数字があるものの、手渡された紙幣は2,054,000ドンのみ。500ドンつまり邦貨2.43円ははした金、ということか。

22:25 外で出迎えてくれたのは40代くらいの女の人で、名前はヅォンさん。漢字で書けば「江」。この旅で唯一、行きたかったのはホーチミンの家。しかしヅォンさんによれば、ホーチミン廟は訪ねるものの、ホーチミンの家は予定に入っていないという。ホーチミンの家が開いている間の自由時間は、ほぼ皆無。このあたりが団体旅行の限界である。

22:52 “BAOSON INTERNATIONAL HOTEL”着。

ホテルは中級。チェックインはヅォンさんが代行してくれた。パスポートの提示は不要。部屋に入って荷物を整理し、貴重品はセイフティボックスに収める。

革靴をゴム草履に履き替えて外へ出る。ホテルのちかくの様子は、ホテルに着く前にクルマの中から観察をしておいた。”Nguyen Chi Thanh“という、どう発音して良いのか分からない通りを東へ歩く。時刻は0時がちかい。

プラスティックの椅子を歩道に並べた食堂では、地元の人がお粥を食べている。冷蔵庫の中には鉈で形を整えた椰子の実が並んでいる。椰子のジュースは要らない、アルコールが欲しい。

3件目の店は、ジュースのほかにビールも置いていそうな雰囲気があった。店に居着いているらしい、2頭の大きな犬の脇を通ってテーブルに着く。すると地元のオニーチャンが「こちらに来たら…」という感じで手招きをする。よって3名が酒盛りをするソファに僕も座り、ビールを注文する

オニーチャンのうちのひとりが何ごとか僕にベトナム語で話しかける。僕はベトナム語を解さない。オニーチャンはベトナム語しか話さない。意思の疎通の無いままニコニコと笑って過ごす。

ややあって、椰子の実を並べた冷蔵庫の影から10代から20代はじめと思われる女の子が出てくる。「これで足りるかなー」と考えつつ5万ドン札を手渡す。女の子はその場を一旦離れ、奥へ行く。「お釣りはあるだろうか」と待っていると、ややあって、女の子は先ほどの札をそのまま僕に返して寄こした。どうやら3名いたオニーチャンのうち、僕に盛んに話しかけてきたひとりがご馳走をしてくれるらしい。誠に申し訳なし。万国共通の、手を合わせる仕草で礼を述べて店を出る。

「旅に出れば、何かしらのカードを必ず切らされる」、そんなことを感じながら、南の国によくある、敷石の割れた歩道を辿ってホテルに戻る。


朝飯 納豆、トマトとマカロニのサラダ、ベーコンエッグ、芥子菜のおひたし、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と芥子菜の味噌汁
昼飯 3種のおむすび
晩飯 “JAL751″プレミアムエコノミー席の機内食


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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