2018.5.4 (金) 準備を怠るのは
店内ではきのうから、たまり漬を使ったおむすびを販売してる。きのうのそれは、ごぼうのたまり漬を細かく刻み、ごはんに混ぜ込んだものだった。今日の中身は「おばあちゃんのホロホロふりかけ」である。
11時すこし前に専用の台を店に運び、そこでおむすびを売り始める。お客様の数は、きのうよりよほど多い。
しばらくするうち、白人の中年のカップルが店に入ってきた。そして僕の姿を認め、男の方がiPhoneを差し出した。ディスプレイには日光東照宮の俯瞰図があった。よって彼らと共に外へ出て目の前の日光街道を指し、当該の場所は、この道を左に8キロ行った先であることを教えると、彼らは驚いて顔を見合わせた。
東南アジアや南アジアの安宿では、掛け布団を用意しない例が少なくない。よって僕は、非常に薄い寝袋を携帯しながらバックパッキングをしていた。あれはヴァラナシでのことだっただろうか、掛け布団を貸して欲しい、いやそんなものはないと、フロントで問答をしていた白人がいた。諦めて部屋へ引き上げようとするその後ろ姿を見遣りながら「準備を怠るのはフランス人の悪い癖だ」と、おなじくその場にいたバックパッカーは嘆息をした。東照宮の場所を訊ねた今日のカップルが、どこの国から来た人かは知らない。
いきなり強い雨が降り始める。時刻は11時50分。その雨は間もなく雹を伴い始めた。雷鳴も聞こえる。8キロと聞けばまさか徒歩で東照宮を目指したとも思われないが、先ほどの白人のことが気にかかる。バスでは日光の手前で渋滞に阻まれ、東照宮にはなかなかたどり着けないだろう。タクシーでも同じことだ。
それはさておき、この驟雨と雹はいつまで続くのか。それを知るため店を離れて4階に上がる。そして西側の窓を開けてみれば、雲に陽光を阻まれた街は暗いものの、西の山は晴れている。
雨は間もなく上がった。そして以降は夕刻まで穏やかな天気が続く。
朝飯 じゃこ、納豆、ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、山椒の佃煮を添えた若竹煮、生のトマトと茹でたブロッコリー、「なめこのたまりだき」のフワトロ玉子、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 グリーンアスパラガスとエリンギのソテー、パン、鶏肉と玉葱と人参のスープ、イチゴの杏仁豆腐、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”