2018.4.29 (日) 第三回清楽亭寄席
目を覚まし、枕の下のiPhoneを取り出し見ると、時刻は4時30分だった。即、起床して食堂に出る。いつもなら、ここで仏壇に上げるための生花とお茶を整えるところだ。しかし今朝はそのまま1階に降り、事務室にて白衣と帽子とマスクを身につける。そして奥の研究開発室に入り、味噌汁の出汁を引く。今日の「清楽亭寄席」のための出汁である。
4階の食堂に戻ると食器棚の電波時計は4時58分を指していた。秋の日は釣瓶落としというけれど、時間とは、いつ、どこにあっても、大抵は素早く過ぎていくものだ。
コンピュータを起動して、ほとんど完成していた一昨日の日記に少々の手直しを加えて「公開」ボタンをクリックする。途中までしか書けていないきのうの日記は取りあえず脇へ置き、今日の日記のここまでを書く。
母屋と隠居のあいだはおよそ100メートルほどのものだが、出汁の寸胴鍋や17世紀のものと思われる木製の銭函など重いものは、手間を省き安全を考えて、朝のうちにホンダフィットで運んでおく。10時に改めて隠居へ行くと、長男は庭に水を撒いていた。
噺家の滝川鯉白、太神楽の鏡味よし乃が到着したところで「上澤」の印半纏を着る。以降は、次々といらっしゃるお客様を名簿と照合し、木戸銭をいただく。
受付以外の僕の仕事は味噌汁作りだ。落語をお聴きになり、あるいは太神楽をご覧になるお客様の雰囲気を背中に感じつつ、台所で鍋に向かう。そうしていよいよ中入りになると、家内が握ったおむすびに「らっきょうのたまり漬」を添えたお盆に、出来たての味噌汁のお椀を載せることを繰り返す。
清楽亭寄席は昼席と午後席のふた席だから、中入りも2回ある。昼席にしたことを午後席でも繰り返し、何とか味噌汁づくりを乗り切る。お客様がお帰りになる際には、下足番も務める。お客様の晴れ晴れとしたお顔が、何よりの、自分への栄養剤である。
事務室に戻ると17時が近かった。木戸銭を集計して店のキャッシュレジスターに入れる。定時を過ぎてもお客様は途切れず、いつもより遅れて店を閉める。黄金週間は、いまだ始まったばかりだ。
18時35分に食堂に戻る。19時からは町内の公民館で役員会議が開かれる。のんびりしているひまは無いものの「ちょっと待ってくれ」とばかりにドライシェリーのソーダ割りを飲む。そして町内会計の、2017年度の仮決算書10部を小脇に抱えて外へ出る。
朝飯 生のトマト、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、冷や奴の「なめこのたまりだき」かけ、油揚げの網焼き、茹でたブロッコリー、らっきょうのたまり漬、じゃこ、メシ、椎茸とカキ菜の味噌汁
昼飯 たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」のおむすび、「清楽亭寄席」の中入りにお客様にお出しした揚げ湯波とズッキーニの味噌汁の、揚げ湯波だけが残った最後のところ
晩飯 カスレ、トマトとカキ菜のスパゲティ、”TIO PEPE”