2018.4.26 (木) 読みさしの本
今日は麻布のお寺で、家内の父の一周忌の法要がある。当方は活字中毒であるから、たとえ読まないにしても、本を持たなければ落ち着かない。
ところが読みさしの文庫本は「あとがき」と「解説」を含めても、未読の部分は14ページしか残っていないから、下今市を発車した特急スペーシアが次の新鹿沼に着くころには読み終えてしまうだろう。以降は邪魔になるばかりである。
読みさしの本は、他に単行本もある。しかし手荷物を最小限に留めようと準備した”ISUKA”のギヤバッグにそれは入らない。だったらどうするか。心は乱れるばかりだ。
とにかく、その”ISUKA”のギヤバッグを提げ、下今市07:45発の上り特急スペーシアに家内と乗る。広尾には10時すこし過ぎに着いた。南部坂を、ドイツ大使館のコンクリート塀が作る日影に隠れるようにして登る。ネクタイを締め、スーツを着ているものの、空気が乾いているせいか、汗はかかない。山の上の禅寺に入る前に、先ずは墓地に回る。そして閼伽桶に水を汲み、お墓の前に置く。
親戚が次々と控えの間に集まってくる。クルマで向かっていた長男と嫁と孫の姿は、11時をすこし過ぎてようやく見えた。いつになく首都高速道路が混んでいたという。
家内の父の一周忌の法要は、予定通り昼すぎに完了した。便利この上ない場所にある料亭では、ついひと月ほど前に訪ねたという、ラオスの南部の遺跡のことなどを住職から聴けて楽しかった。
長男は仕事につき、その会食を中座した。10数名の親戚とも、また叔母の家に寄る家内たちとも別れて、ひとり南部坂を下る。ドイツ大使館の塀に換わって、午後は有栖川公園の欅の大木が、まるで初夏のそれのような日の光を和らげている。
ハッとして日比谷線の車両から降り、ちかくの階段を上がる。しかしどうも、まわりの景色が違う。駅員に訊ねると、そこはいまだ東銀座だった。昼の酒が効いているのだ。ふたたびプラットフォームに降り、今度は無事に北千住に至る。
閉店の10分前に帰社する。4階に上がり、即、着替えて店に降りる。3台のキャッシュレジスターを締めることに30分を費やす。あちらこちらに鍵をかけ、ふたたび4階に戻る。そして入浴をして多めの水を飲み、早々に就寝する。
朝飯 5つのおむすび、らっきょうのたまり漬、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「有栖川清水」の其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、其の六、其の七