2018.4.27 (金) 裏
「ウワサワさんは、いつもおなじ服を着て、感心ねぇ」と、40年ほど前に、ある女の人に褒められた。「感心ねぇ」とは、着るものについての質素さに対してのものだろう。
子供のころアトピー性皮膚炎に悩まされたこともあって、服はほとんど木綿のものしか持たない。着づらさを感じないかぎり、生地は厚い方が好きだ。厚いほど穴が開きづらく、長く保つからだ。
それはさておき「いつもおなじ服を着て」いるについては「裏」がある。いま着ているものが古びると、また同じものを買うのだ。
どれほど前に買ったか覚えていないシャツが古びてきた。袖口はすり減って、何年ものあいだ毛羽立っている。いよいよ新しくしなければならないが、色や形の異なるものは欲しくない。
「天網恢々疎にして洩らさず」の本来の意味とはまったく異なることは承知をしつつ、しかしその「天網」とは、いまや検索エンジンのことを指すのではないかとさえ思われる。どれほど前に買ったか覚えていないシャツとおなじものを、僕は遂にインターネットの大海に見つけた。即、注文したことは言うまでもない。
しかし以来1年と3ヶ月のあいだ、この真新しいシャツは箪笥の中に眠り続けている。すり減った旧い方を、いまだに着続けているからだ。旅先に持参して、いちど着たら捨ててしまうことも考える。しかし多分、捨てる段になれば惜しくなって持ち帰り、ふたたび洗濯屋に出してしまう気がする。僕の選ぶシャツは生地が分厚くて、袖口以外はなかなかすり減らないのだ。
朝飯 じゃこ、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生のトマト、目玉焼き、厚揚げ豆腐の網焼き、ほうれん草のソテー、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と椎茸と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の雷ラーメン
晩飯 マカロニサラダ、コールスロー、串カツ、ほうれん草のソテー、ミートローフ、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”