2018.3.3 (土) 桃の節句
午後、家内は店を離れて4階の台所に籠もった。夜、食堂のテーブルの、孫の座る場所には酒と塩を加える前の吸い物があった。
その吸い物を孫は夢中で飲み干し、更にくれと騒ぐ。仕方なく母親が、大人用の吸い物をすこし分ける。孫は塗りの椀に塗りの匙を突き入れ、それを掬って飲もうとするが、1歳4ヶ月に満たない幼児には、食器を上手く扱うことができない。横から母親が助けようとすると「余計な手出しはするな」とばかりに、孫は親の手を振り払って、尚も吸い物に熱中する。
鮨は存外に味が強い。よってこれを孫に食べさせる予定はなかったものの、その、色とりどりのちらし鮨は幼児の目には魅力的に映えたらしい。それもくれと騒ぐため、これまた仕方なく母親が小皿に分けてやる。孫はそれをまたたく間に平らげて、もっとくれと騒ぐ。
孫は食事のたび、それほど腹に詰め込んで大丈夫かと心配になるほど大量のメシを食べる。そのくせ動きが激しいせいか、からだはそれほど大きくない。
孫は最後にイチゴのババロアをグラスに少しもらい、これも周囲に助けられることは拒みつつ、スプーンと素手によって食べ尽くしてようやく満足をしたらしい。
「やれやれ」の、桃の節句である。
朝飯 切り昆布の炒め煮、納豆、ほうれん草のソテー、生のトマト、温泉玉子、大根と胡瓜としその実の醤油漬け、メシ、揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 焼きそば、揚げ饅頭
晩飯 蛤と三つ葉の吸い物、銀鱈の麹漬け、黒豆、大根の麹漬け、ちらし鮨、「富士錦酒造」の「しぼりたて原酒」(冷や)、イチゴのババロアのウォッカがけ