2018.2.16 (金) 明るい空き家
町内の空き家に布団を持ち込み、昼から惰眠をむさぼる。窓から差し込む日の光によりその布団はいつまでも暖かく、これ以上の心地の良さがあるだろうかと、僕は恍惚としている。
ふと目を開け、布団から頭を出したのは、人の気配を感じたからだ。男が玄関に立っている。男は僕の寝る布団と玄関のあいだの空間を凝視しながら驚愕の表情を浮かべている。そこではじめて、この家には僕よりも先に来て、僕よりも先に寝ていた老人のいたことを知る。
先ほど自分は、その老人に気づかないまま布団を玄関から運び入れた。しかしそれほど広くもない部屋で、そんな馬鹿なことがあるものだろうか、と思った瞬間に目が覚める。
家の窓はすべて開かれている。空は晴れて、太陽の光は眩しいばかりだ。その様子を僕は外に立って眺めている。居心地のよさそうな家を空き家にしている持ち主が、いつの間にか横に立っている。そして、ここに住めない事情が自分たちにはあるのだと、その家に視線を向けたまま僕に語りはじめる。
ここまできたところで、いまだ夢から覚めていないことに気づく。気づきながら、いまだ夢を見つづけている。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、しもつかり、秋刀魚の梅煮、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐とトマトとピーマンの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 ハムと大根とトマトと塩豆のサラダ、パン、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、3種のキノコと牛蒡のポタージュ、”TIO PEPE”