2018.1.6 (土) 天国
本日、朝一番で店に入ってきたのは、若い白人の男性だった。地方発送を申し込むためのカウンターでパンフレットを眺めているため「どちらかにお送りですか」と訊くと「はい」と答える。店から事務室の裏を経て蔵へ延びる通路に折良く長男の姿が見えたため、呼んで後を任せる。
しばらくして事務室からガラス越しに店を見ると、その男性の姿は消えていた。長男によれば、男性はウチを食堂と勘違いしていたとのことだった。
そのまま店にいると、先ほどの男性が、今度はコカコーラの、飲みさしのボトルを握ってふたたび入ってきた。そこでまた声をかける。
「朝食の場所を探していたんですってね」
「えぇ」
「大きな街ではないので、ファミリーレストランくらいしか開いてないかなぁ」
「それは、どのあたりですか」
「近くないですよ」
と、ここまで会話を続けると、またまた長男が近くを通りかかったので、またまた長男に後を任せる。
男性は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」ちかくの玉藻小路にある「いまいちやど」の宿泊客だった。そうであれば、ウチまで来るあいだに当然、セブンイレブンは目についただろう。「モスバーガーなら営業しているかも知れない」と長男が教えると、コンビニエンスストアでもなく、またハンバーガーショップでもなく、どうやら普通の食堂で日本風の食事がしたいらしい。とすれば、朝の8時台から営業をしている店は、このあたりには皆無だ。
ウチはキッチハイクを通じてひと月に1度、朝食の会を催している。しかしそれは完全予約制で、今月は28日の開催である。
白人男性は、これからどちらへ向かおうとしているのだろう。たまたま駅前食堂のある街に降り立ったなら、そこが彼にとっての天国になるかも知れない。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、ベーコンエッグ、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、三つ葉の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 汲み上げ湯波、キスとサヨリの酢締め、黒豆、ちらし鮨、「梅乃宿酒造」の「奈良流五段仕込露葉風純米吟醸」(冷や)