2017.10.9 (月) 観察
たかだか11泊では、海外にいても日本の食事が恋しくなることはない。国内、国外を問わず、その土地に行けば、その土地のものを食べ、その土地の酒を飲んで過ごしたい。タイの食事の特徴は甘い、辛い、酸っぱいが顕著ということになっている。しかし僕が驚くのは、それよりも野菜の力の強さである。玉葱やセロリなど、日本で食べられる野菜であっても、タイに行けば、それらの香りは数等倍に感じられる。
そういう強烈な風味のものを飽かず食べて日本に帰ると、昼食や夕食は何でも構わないものの、とにかく朝食だけは米と味噌汁が欲しい。きのうの夜も忘れずに、翌朝の味噌汁のため、鍋の水に数尾の煮干しを忘れず入れて台所に置いた。
「吉田類の酒場放浪記」は隨分と以前から、毎週かならず録画されるよう、自分でビデオを設定したらしい。たまたま月曜日の21時にテレビのスイッチが入っていると、それまで観ていた番組が突然「酒場放浪記」の導入部の画像に変わり、知る人は知る、例の主題曲が流れ始めて、忘れていた、つまり録画のことを思い出す。
それはさておき、そのようなとき、この番組を好まない家内は「やだー」と、ただちにチャンネルを他に変えるよう言う。しかし僕はそれを聞き入れず、結局は最後まで観る。仕方なくつき合う家内の観察によれば、吉田は焼酎よりも日本酒に酔いやすいという。僕はただ、吉田のシャツやスカーフ、酒や肴に傾けるうんちく、あるいはろれつの回らないしゃべりを面白がって観ているだけだから、そのようなことには気づかない。
朝飯 牛肉と車麩と牛蒡の炊き物、「なめこのたまりだき」のフワトロ玉子、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、ごぼうのたまり漬、大根のぬか漬け、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「とりや」のタンメン
晩飯 生ハムのムースを載せたパン、ブロッコリーのサラダ、スパゲティミートソース、“Cuvée des Jeux Côtes du Rhône Jean Claude Boisset 1986”、栗のソースのロールケーキ、”Ord Parr”(生)