2017.9.27 (水) タイ日記(3日目)
2時台に目を覚ます。パクラ村のシームンの家は山あいの谷にあり、また窓はガラスではなく、夜のあいだは木の扉が閉められている。よって外の様子を覗うことはできない。早寝をして0時ごろに目を覚ますと、夜が長くて輾転反側を繰り返した。しかしこのホテルでは、部屋からラオスの明かりが見える。それが民家のものか街灯かはうかがい知れないものの、その、乏しい明かりだけでも退屈しのぎになるから不思議だ。今朝は幸いなことに二度寝ができて、空が明るくなりかかるころに、ふたたび目を覚ます。
きのう日記を書いたテラスで、今朝は6時20分からコンピュータを開く。朝食は6時30分からと聞いていたけれど、メニュを持ってウェートレスが来る。「いま仕事をしているから、朝ごはんは後でね」と、取りあえずは引き取ってもらう。すると、今度は先ほどと異なる制服のウェートレスが近づき「コーヒーだけでもいかがですか」と声をかけてくれる。とても有り難い。仕事は順調に捗った。
朝食の後はおなじ場所で日記を書く。このホテルのwifiの有効期限は1日だ。しかし24時間ではない。きのうは朝9時に突然、回線が途切れ、それまで書いてきた部分すべてを失った。「クラウド」も良し悪しである。今朝、フロントでもらったパスワードをブラウザに打ち込むと”END TIME 2017.9.28 01:52″と出た。持ち時間は17時間ほどしかない。そう考えているところに先ほどの、フロントの太った人が来て「お客様は金曜日までお泊まりですので」と、4枚のバウチャーをまとめて手渡してくれた。有効期限を小間切れにするのは安全対策なのだろうか。
部屋には11時前に戻った。そして水着を身につけ、ロビーに降りる。日除けの傘とバスタオルをプールサイドへ運ぶよう、フロントにいたオニーチャンに頼みつつ心付けの40バーツを手渡す。傘もタオルも、初めから用意をしておいてくれれば不要のチップではあるけれど、細かいことは言わない。
太陽がD棟の屋根の向こうに隠れる14時までプールサイドにいると、街の食堂では食材が売り切れる、ということが起きる。きのうのカオマンガイ屋がそうだった。しかし昼食を犠牲にしても、日の差すあいだは寝椅子で本が読みたいのだ。
街道を自転車で北西へ走り、soi6に左折する。ふたつ目の交差点の右向こう角にある食堂のことは、過去にこの街を訪ねた日本人のウェブログで知った。ここでラオス風のカオソイと赤米のちまきを食べる。ちまきは濃い目の味付けだった。夜の肴にもうひとつ買おうとして、思いとどまる。
食後は自転車を南東に走らせ、初日にバスの窓から見えた”TESCO Lotus”まで行ってみる。食品売り場をひやかすと、僕の最も好きなラオカーオ”BANGYIKHAN”があった。よって買い物カゴに1本を取り、レジへ行く。そのレジのオネーサンに何ごとか言われて「あー、そうだった」と腕時計を指すと、オネーサンは頷く。タイでは法律により、午前11時から午後2時までのあいだを除いては、日中に酒を買うことはできない。明日、気力があれば、今度は時間を見計らった上でふたたび来て、このラオカーオを買うことにしよう。
ホテルに戻ると16時が過ぎていた。今日は自転車で10キロ以上は走ったように思う。汗に濡れた帽子とシャツをハンガーにかけ、窓のカーテンレールに吊る。シャワーを浴び、ベッドに横になり、ラオスの上空に立ちのぼる積乱雲を眺めて休む。
「ことによると、どこか食堂が店を開けているかも知れない」と、19時を過ぎてから外へ出る。しかし街道筋の店はほとんどシャッターを降ろし、まるで深夜のようだ。きのう氷を買ったセブンイレブンとは違う方の、北西のセブンイレブンの角に、総菜を売る屋台を見つけ、ここで2種類のおかずを買う。そしてそれを部屋に持ち帰り、3日連続の部屋飲みをする。
朝飯 “FORTUNE RIVER VIEW HOTEL”の豚挽き肉のお粥、西瓜とパイナップル、オレンジジュース
昼飯 街道からsoi6を入った先のメシ屋のラオス風カオソイ、赤米のちまき
晩飯 春雨炒め、豚の挽き肉のちまきレモングラス風味、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)