2017.9.11 (月) しその実と茗荷
しその実のたまり漬は、先月61歳になった僕が物心ついたときには既にして存在していた。当時は夕食の時間になってから、1日の仕事を終えた農家の人が、手拭いで作った巾着袋ほどの大きさの袋に入れて、しその実を売りに来たことを覚えている。
一方「みょうがのたまり漬」は、たまり漬の歴史としては、それほど昔からあるものではない。僕の子供のころの記憶には無く、しかし学校を出て修業をして家に戻ったときにはあったから、多分、1972年から1981年のあいだに造り始められたものだろう。
しその実は初めから、その原材料は近隣の農家のみに頼っていた。一方、茗荷については、秋田県産のものを宇都宮の市場から引いていた。秋田は茗荷の一大産地ではあるけれど、ここ数年の極端な気候変動、有り体に言えば夏の大雨により、年によっては極端な品薄に見まわれるようになってきた。
よって2012年からは、しその実だけでなく茗荷においても日光や鹿沼の農家を頼り、秋田県産と並んで仕入れられるよう、体制を整えてきた。
しその実の買い入れは明日で終える。しかし茗荷は最後の農家が「これでおしまい」と言うまで買い続ける。きのうの「汗牛充棟」ではないけれど、篤農家による原材料が製造係により適切な処理をされて蔵の冷蔵庫に充実していくにつけ、気分の高揚を押さえることはできない。今年の夏は雨が続いて寒かったけれど、秋の実りには、本当に感謝をしている。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、納豆、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、茄子と2種のピーマンの「日光味噌梅太郎・赤味噌」炒り、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、茄子のぬか漬け、メシ、揚げ湯波とベビーリーフの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 牛蒡と鶏モツの炊き合わせ、南瓜の擂り胡麻和え、冷やし素麺、麦焼酎「高千穂零」(お湯割り)