2017.9.4 (月) しその実
年に2度か3度は訪れているタイの「甘い、辛い、酸っぱい」が特徴とされる料理の記憶は、日本に戻れば綺麗さっぱり舌から消えると、おとといの日記には書いた。しかし野菜の珍しさ、味の濃さ、香りの強さ、またそれにより沸き立つ強烈な異国情緒については、片時も忘れない。
しその実の買い入れが今日から始まった。もの心のついたころより今に至るまで、この時期には蔵の中に若緑の香りが満ち、その爽やかさには常に、気持ちの充足を覚えてきた。東南アジアの野菜がいくら豊穣ではあっても、この芳香だけは、彼の地には無い。そちらからの旅人がいまウチの蔵に入ることがあれば、南の国にいるときの僕と同じく、強く五感を刺激されるに違いない。
しその実の買い入れは朝8時30分から15時まで。それを見越して、遠く離れた取引先との、スカイプを介しての会議は16時からに設定をしてあった。これが4時間の長さに及び、4階の食堂に上がったのは20時過ぎだった。
この週末、街の中では商店や飲食店を巻き込んだ催しがあるらしく、ウチは隠居で弁当を供する。夕食はその弁当のおかずの、いわば試食会だった。朝食や弁当は労働や運動のための糧であるだけでなく、なぜか酒の肴としても優秀である。夜の気温は既にして秋のそれだ。よって焼酎はソーダではなく、熱いお湯で割る。
朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、トマトのスクランブルドエッグ、枝豆の天ぷらの甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、オクラの胡麻和え、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 厚焼き玉子、牛蒡と人参のきんぴら、茄子と2種のピーマンの「日光味噌梅太郎赤味噌」炒め、牛肉の「日光味噌のたまり」漬け焼き、胡瓜とゴーヤのぬか漬け、麦焼酎「高千穂零」(お湯割り)、メロン