太田さんのウクレレ

オオタさんというからには、お父さんやお爺ちゃんは太田さんだったのかも知れません。オオタさんは、ウクレレの上手なハワイの人です。今までに数え切れないほどのレコードやCDを出していて、僕などはそのほんの一部しか聴いたことはありません。それはそうとしても、この秋に知った、オオタさんの以下のCDが良いですねー。

"cool,tropical ukulele" Herb-Ohta ALFA MUSIC,INC. ALCB-3179

1曲目の"Samba Douro"の出だしのピアノは一瞬、"Take The A Train"?と思います。その数秒後にはHerbie-Hancockの"Maiden Voyage"?と錯覚します。で、オオタさんの登場です。

ここへきて初めて、この手練れのピアニストBob-Albanseが、ソロをとるオータさんのバックだったことに気がつきます。それにしても"Samba Douro"での、オオタさんの即興の凄いこと。この曲を弾く彼のウクレレは、ネックが長くてフレットの多いコンサート ・ モデルではなく、普通のサイズのものです。それでこれだけの演奏。まぁ、オオタさんなら当然でしょう。

2曲目の"I'll Close My Eyeys"は、うってかわってギターとのデュオ。ギターとウクレレのアンサンブルは珍しい感じもします。でもハワイでは多く見られますね。この圧倒的な叙情性は、もう、ただものではありません。

ところで僕の記憶は、次の3曲目以降、次第にアヤフヤになっていきます。寝る前に聴いていると、だいたい2曲目の途中あたりで眠ってしまうことも、その原因のひとつでしょう。

それ以降の曲目は

"Ceora"
"Once I Loved"
"Kamaaina Keiki"
"Just Friends"
"Whisper Not"
"Close Your Eyes"
"They Young To Be"
"The More I See You"
"Triste"
"Lazy Afternoon"
"Exactly Like You"
"Blue Hawaii"

"They Young To Be"は、聴けば誰もが 「あぁ、この曲、知ってる」 と言いそうな"Carpenters"のナツメロです。一部に僕の納得いかないフレージングとシンコペーションが混じりはしますが、オオタさんの右手の優しいことについては、比類するものがありません。

サンバやジャズのスタンダードナンバーがほとんどのこのCDの中に、最後の1曲にいたって"Blue Hawaii"が出てくるあたりも愛嬌でしょうか。

P.S.
この文章を東武日光線スペーシアの中で書き上げた1時間後に、御茶ノ水のアキオ楽器へ行きました。ここで

"UKULELE LOVE" 関口和之:責任編集 TOKYO FM出版 ISBN4-88745-004-4 ¥1,800

を買いましたが、その12ページに 「オオタさんのお父さんは、広島出身のオオタ ・ サダイチさん」 との記述が見あたりました。

ハイビスカス
1998.1028