アサヒビール本社側から吾妻橋の左側を歩いて隅田川を渡ると、その西詰めに至って、ほぼ正面に神谷バーが望めます。その橋のたもとから数メートルの急な坂を降りて、すぐに左に曲がります。目立たない細い道です。歩き始めると左には飲み屋の 「りきしゃまん」、その隣が四方酒店。道の右側には、ホテル・ニュー魚眠荘のカプセル部門。そのカプセルホテルのすぐ先に、Itarian - Bar "ERBA"は、あります。やっぱりここは美味いですね、今日も行きました。
頑丈な取っ手のついた分厚い木の扉を開くと、そこは11人掛けのカウンター。床には、色の綺麗な割れたタイルがはめ込まれています。ところでイタリア料理屋や上海料理屋でなにが楽しみって、ホーローのバットや厚い陶の器に入ったお酒のつまみというか、おかずというか、あれが気になってしかたがないという人は、意外に多いと思います。で、僕も大好きです。今日の "ERBA" のカウンターには、何があったか?
ま、みんな食べたいわけですが、僕は 「カブ」 と 「鯖」 を頼みました。酒は ・ ・ ・ うるさいことは言いません。赤のグラスワイン。というのも、ひとりでワインの大瓶は飲めませんし、ハーフボトルとデキャンタ売りの準備が、このお店にはないためです。
「美味い」 という感覚の中にも、いろいろと種類はあるでしょう。ここの料理はなんというか、しみじみ美味いんです。「あー、大事にゆっくり食べよーっと」 という感じ。
「じゃがいものニョッキ」 と 「プロシュートとイチジクのサラダ」も、とりました。ニョッキのソースはバターにするか、それともトマトか? と訊かれましたので、今回はバターソース。モチモチとした舌触りが、こう言っては何ですが可愛い印象。イチジクは丸ごと1個をむいたもので、ちょうど良い熟れ具合。生ハムとの相性も最高です。
奥のオーヴンでは、他のお客の注文でパリパリのピザが焼き上がりつつありましたが、まぁ、これだけ食べればもう限界ですよね。ワインも4杯、飲んじゃったし。
ということで、最後はアーティチョークのリキュール 「チナール」 のストレイトでしめました。このチナールを、凍って霜の降りた小さなグラスでキューッと1杯。なんとなく、もう一軒、行けそうな気分になるから不思議ですね。