食べ物の評論という行為には必ずある種の浅ましさがつきまとう。その浅ましさを拭い去るには「批評」 を遠ざけ、「懐かしいこと」 や「季節」 を思うことがもっとも簡素な近道だ。まばらな広葉樹が青い空をモザイクのように縁どる、そんな小径を果たして自分は歩けているのか、どうなのか。