Like a Rolling Stone…
転がる石に苔は生えない。
変化を好む人間には人格的な深みなど期待できない、という意味もあるし、
変化し続けなければ古びてダメになってしまう、という意味もあるようですね。
もともとは前者の意味だったのでしょうが、そも、世につれ人につれ、言葉の意味は変わっていくものです。
ブラジルの「勝ち組」
「勝ち組」といえば、いまのところ「社会的な成功者」(ちょっと揶揄がこもる場合もあり、)というような意味合いで使われていますが、もとはといえば、ブラジルに移民していたり、日系人収容所に入れられたりしていて世間と隔絶していたあまり「日本は戦争に勝ったんだ」と信じこんでいた人たちを表した言葉だったようです。
まあ、これは極端な例ですが、たとえば、ある文化の発信地から遠く離れた場所に、なぜかその文化のエッセンスがまるまる残っていたりする場合がありますよね。京都の祇園祭に、荘厳なペルシャのタピストリーがあったりとか。日系ハワイ人の言葉遣いのなかに、たおやかな古い言い回しが残っていたりとか。
関係ないですけど、日系ハワイ人つながりということで、ハーブ・オオタさんの名演を貼っておきましょうか。
(でも、オータサンの話す日本語も、朴訥として穏やかでいいですよね。これは人柄か?)
で、「ボルツ」ですよ。
かつて一世を風靡したという、激辛カレー発祥の店。ここのカレーを食べて、スパイスに開眼した人も、かつてはたくさんいたはず。
しかしながら、時代はめぐる。かつてこのカレーチェーンを運営していた企業は、現在、「洋麺屋五右衛門」を主たる業態としているようです。
カレー研究家の小野員裕さんは、このように書いています。
40年ほど前「ボルツ」は激辛カレーブームを巻き起こしたインドカレー屋で、各地方、都内にも数多くの店舗があった。現存にしているはこの竹橋と習志野の2軒だけになってしまった。
、、、、、!!!!!
宇都宮にも、「ボルツ」はあります!
(「〇〇は、あります!」からも、幾星霜ですね。)
システムももちろん健在。
「ボルツ」といえば、スパイスの風味のたのしさを日本中に伝え広めたお店といってもいいようです。
その発振源となったのが、このシステム。
若かりし頃のカレー研究家の仲間たちがそうであったように、悪ふざけする者の腹を破壊した、、、
というのはオーバーとしても、喫茶店の欧風カレーか、海の家の黄色いカレーかの比較においては、かなり衝撃的だったんじゃないかなあ。と思います。
いざ!
茶色い、とろりとしたカレーは、欧風の感じもありつつ、しかしながら、しっかりとしたスパイス感の感ぜられる風味で、いまなお、非常な新鮮味を感じます。
というか、すごいウマイんですけど。
充実の薬味も、「ボルツ」の特徴のひとつのようです。
にんじん、さらし玉ねぎ、レーズン、青唐辛子の酢漬け、玉ねぎのピクルス、そして、フライドオニオン。
店内もどことなくレトロ調・純喫茶風。「調」というか、ほんとうにレトロなんですね。何しろ、もう創業40年。
すばらしい。
店内には、お客さんが感想を書き込むノートもおいてあって、常連同士の交換日記としても機能いたします。これも、どことなく、ノスタルジーを醸し出すシステムですよね。
ありがとうボルツ。宇都宮のボルツこそ、真の「勝ち組」。そして、次こそは20倍にチャレンジしよう。そういう気持ちになりました。