菜虫化蝶

のことばが示すとおり、だいぶ気温も落ち着いてきました。梅も満開。かと思えば、ちらちら雪が降ってきたり。雷が鳴るまでは春とは言えない、というのが日光の春です。

この時期、ぐっと美味しくなってくるのが山菜類です。

ふきのとう、うるい、たらのめ、ぜんまい、わらび、うど、みず、少し遅れてたけのこ。エネルギーの過剰からなのか、どれもみずみずしく、そして苦味があります。

そのような春さきの味覚のひとつが花わさびです。

花を摘んでたべる。

根の部分の塊をおろし金ですりおろせば、おなじみの「わさび」になるわけですが、葉っぱや花も美味しくいただけます。とっても可憐な、小さい白い花の部分を摘んで食べるんです。

今回は、弊社の年末セット「日光の美味七選」でもおなじみ、日光市大室地区の「太郎わさび園」村上忠夫さんの花わさびを、「日光味噌のたまり浅漬けの素−朝露−」で、たまり風味の浅漬けにしてみました。

いじめられてからくなる。

わさびの茎や葉、そしてもちろん花の部分にも、あの「おろしわさび」のようなピリピリした辛味の成分が含まれています。含まれてはいるのですが、この物質は、ゆっくり空気に触れることで、その辛さを増すようです。

そこで、この辛味を楽しむためには、花わさびは「いじめ」ぬかなければなりません。

いったん熱湯にくぐらせてしんなりさせたら、すぐに塩と砂糖をまぶして、ぐいぐいぐいぐいと揉み倒します。すると、ツンツンとした辛味成分が、目や鼻を刺すようです。そうなったら密閉容器に入れて一晩ねかせます。

翌日、容器を開けるときは要注意。まず換気をしておきましょう。それほど強烈です。目が開けていられなくなります。こうなったらたまりで和えて、また寝かせておきます。

誰が考えたのか、、、

いただくときは、やはり、お刺身に添えるのが良さそうです。なんといっても「わさび」と「たまり」ですから、お魚との相性は保証されたようなもの。しかし、誰が考えたんでしょうね。このように山奥に生えるものを海のものと取り合わせると美味しいということを。

合わせるお魚は、この時期ですから、鰆など適当かもしれませんね。(画像は鰤ですが、、、)

大根やにんじんをかつらむきして、細く刻んでみると、なんとなく「けん」の雰囲気がでてきます。水にさらして、紙で水気を吸い取っておきましょう。スーパーのお刺身にだって当たり前のようについてくる「けん」ですが、自分で切ってみると結構大変。でも、意外なほどおいしく感じます。

もちろん、朝ごはんにも合います!ぜひお試しくださいませ。