2025年1月15日に配布したうめたろう通信vol. 54 のバックナンバーです。
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うめたろう通信 voL. 54
一月一一日は、鏡びらきでした。お店のギャラリー、蔵の水神様・地神様、各機械、隠居うわさわの床の間、事務所の神棚、店のお稲荷さん、自宅の仏壇と居間に飾ったお餅を下げました。細かく割った鏡餅は、隠居うわさわにお食事にみえたお客様に、おひとり様数個ずつ、おかきにしてお配りする予定です。縁起物のおすそわけというわけです。門松は一四日まで置いておきます。巷ではバレンタインの棚替え、百貨店ではお中元!の準備です。今年も慌ただしく一年が始まりました。
もくじ
- 【 巻頭 】今市歳時記(23)
- 【 読みもの 】一般漬物学入門(24)ちょっと脱線・1
- 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
- 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
- 【 巻末 】ミニマル料理2
【 読みもの 】一般漬物学入門(24)ちょっと脱線
自動車ジャーナリストの福野礼一郎という人を寡聞にして知りませんでした。日本カーオブザイヤーの審査員として、また、クラシックカー評論家として、また、刀剣や銃器のコレクターとして、また、カメラの収集家として……と、さまざまな顔をもっているいわゆる「趣味の人」ですが、この人が自動車工場に取材した記事を読んでいて非常に興味を持ちました。いわく、より良い自動車をつくるためには「設計技術」と「生産技術」のふたつの技術が重要である、と。新型のクルマそのものを開発するには前者が、それを高精度で・想定コスト内に・オンタイムで・大量に生産するためには後者が必要で、この両輪は不可分であるというのです。産業における「技術」の本質を、こんなにも明確に伝えてくれるひとはいままでほかにいなかったと、目から鱗が落ちる思いでした。燃費と馬力を両立できるエンジンを開発した。空力性能にすぐれるボディをデザインした。もちろんそれは素晴らしいことですが、一点ものでは産業として成り立ちません。翻って我々の仕事に置き換えてみれば、どれだけ素晴らしいレシピをつくろうとも、それを量産できる体制や仕組み、そしてそれを実現するための機械装置と、それらを適切にコントロールできる人間の技量がなければ、ただの画餅です。この気づきを、どれだけ活かせるか。これが今年の課題となりそうです。
【 ご説明 】セットの内容について
日光の冬をいろどるセット
このたびは第53回目の日光美味定期便にお申込みいただき、誠にありがとうございます。年末の大掃除で、店先のお稲荷さんを掃除するのに外のホースを使おうと思ったら、凍結していなかったのには驚きました。たぶんここ一〇年ほどではじめてだったのではないかと思います。年明けからは、ようやく冬らしい冬になってきた感じがあります。
それでは、以下、今月のお品物のご紹介です。
それでは、以下、今月のお品物のご紹介です。
一、だいもん苺園さん(日光市明神)のいちご1パック
日光といえば、寒暖差を利用してのいちご栽培がむかしから名物です。現在は「とちおとめ」「スカイベリー」や「とちあいか」が主要な品種となっています。とちおとめは、甘みも酸味も濃厚で、「これぞいちご!」という風味。スカイベリーは大粒で甘みが強く、酸味が少ないのが特徴。とちあいかは、甘みが濃厚でほどよく酸味があり、縦割りにするとハートの形になるのが特徴です。当日の状態をみて、ベストな品種にてお届けいたします。

地方に住んでいて嬉しいことのひとつが、 生産地がすぐちかくにあること。 なかでも摘みたてのいちごは、味も香りも格別です。流通時間が短い分、劣化を気にすることなく、熟しきったものをいただけるのも、その理由のひとつかと思います。
晴れた朝に摘んだもののほうが、曇った朝に摘んだものよりも甘くなります。お届け日の朝が晴れていることを祈るばかりです。 (予報は晴!です)
晴れた朝に摘んだもののほうが、曇った朝に摘んだものよりも甘くなります。お届け日の朝が晴れていることを祈るばかりです。 (予報は晴!です)
二、和田菓子舗(日光市小林)の武平まんじゅう
知るひとぞ知る、地元銘菓です。カーナビがなかったころには、たどりつくことさえ至難の業でした。しかも予約がないと買えません。赤糖を練りこんで蒸しあげた皮は、ねっちりとして他に類がありません。中にはたっぷりのこしあん。こちらも濃厚な風味がたまりません。ぜひ、濃いめのお茶といっしょに召し上がってください。
*賞味期限の短いお品物です。期限内に召し上がれない場合は冷凍してください。蒸し直すと、ねっちりとした食感がもどりますよ。
*賞味期限の短いお品物です。期限内に召し上がれない場合は冷凍してください。蒸し直すと、ねっちりとした食感がもどりますよ。
三、松葉屋(日光市今市春日町一丁目)の徳用あげゆば
当店から徒歩1分の、とうふとゆばのお店です。日光では、お正月などハレの日には、たぐりゆばという、ゆばを小さなボール状に手繰ったものや、揚げ巻ゆばという、ゆばをロール状に巻いて輪切りにしたものを、たっぷりの出汁で煮含めたものをいただく習慣があります。そういったものを作る際の「はじっこ」を油で揚げたものがこの徳用あげゆばですが、おいしいパンほど耳がうまいのと一緒で、この徳用あげゆばにこそ得(トク)があるというものです。下茹でして油を抜いて、お味噌汁の具材にしたり、青菜といっしょに煮たりしてお召し上がりください。
*賞味期限の短いお品物です。期限内に召し上がれない場合は冷凍してください。
*賞味期限の短いお品物です。期限内に召し上がれない場合は冷凍してください。

グーグルマップなどで調べてみてほしいのですが、 和田菓子舗さんは、昭和の時代にはどこにでもあった、小学校の門前の駄菓子屋さん、といったお店です。 事実、 ガリガリくんや謎のヨーグルト、 ふがしなども置いてあります。
春日町にある松葉屋さんのお店も、 昔ながらのおとうふ屋さん。 こういうお店がしっかり残ってくれてい ることが、 本当の豊かさだし尊いことだなあといつも思っています。
春日町にある松葉屋さんのお店も、 昔ながらのおとうふ屋さん。 こういうお店がしっかり残ってくれてい ることが、 本当の豊かさだし尊いことだなあといつも思っています。
四、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町一丁目)の長芋のたまり浅漬
しゃくしゃくした食感が嬉しい、長芋のたまり浅漬です。旬の長芋を、日光味噌から搾った「たまり」をベースにしたおつゆでさっと漬け込みました。ごはんのおともや晩酌のおつまみにどうぞ。
五、上澤梅太郎商店の日光味噌 梅太郎 白味噌
昨年3月に仕込み、一〇ヶ月ほど自然の気温のなかで寝かせた、日光味噌です。糀を仕込むお米は日光棚田米のコシヒカリ、大豆は日光市内産の里のほほえみを使用しています。あげゆばと併せて、ぜひお味噌汁にしてお召し上がりください。

先だってお伝えしたとおり、 日光市内産の蕎麦は天候不順により壊滅的な被害を受けています。 米や大豆も例外でなく、今シーズンは仕込み用の米 大豆の確保がなかなかに困難となっています。 農家さんにとっても、天候不順だけでなく燃料や肥料の高騰も大きな打撃となっています。 この冬も良い仕込みができるように、なんとか知恵をしぼっていきたいと思います。
六、上澤梅太郎商店の ふわふわ大根
定番の「だいこんのたまり漬」を、こまかく千切りにしたお品物です。小さいころ熱を出すと、曾祖母がおかゆを炊いて、だいこんのたまり漬を糸のように細く細く切って持ってきてくれました。そんな思い出の味です。だいこんのたまり漬は味は濃いめですが、ごはんとあわせるとたまらなくなります。
七、上澤梅太郎商店の らっきょうのたまり漬
当店の看板商品、いちばん人気の「らっきょうのたまり漬」です。栃木県産を中心に、茨城県・宮崎県・鹿児島県のものを選りすぐって漬けています。東武線下今市駅から徒歩一〇分、わが町が誇る本格フレンチfinbec NAOTO さんにて、お正月限定でいただけるカレーライスに、当店のらっきょうを添えていただいています。来年のお正月、日光への初詣へお越しの際は、ぜひこちらのお店を訪れてみてください。

次回、2月15日おとどけぶんは、
- ・地元銘菓 (和菓子)
- ・こんにゃく
- ・秘伝のレシピによる豚肉の日光味噌風味
- ・田楽味噌
- ・なすの辛子漬
-
などお届けいたします。
どうかあたたかくして美味しいものを召し上がって、どうもインフルエンザなどが流行りつつあるようです。 みなさま、お風邪など召されませんようお過ごしください。
今月も誠にありがとうございます。お楽しみいただけましたら幸いです。
【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ
汁飯香の店
隠居うわさわ
ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。
〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
GoogleマップQRコード
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)


【 巻末 】ミニマル料理2
いぜん、この欄で紹介した料理本、稲田俊輔著『ミニマル料理』の続編が出ました。『ミニマル料理・和』というタイトルで、和のおそうざいに特化した「ミニマル料理」のかずかず。前著に負けず劣らず魅力的です。とくに、すっぽんのお吸い物の作り方で牛肉を仕立てた「牛肉のすっぽん風」には思わず膝を打ちました。ありふれた食材・ありふれた調味料・ありふれた調理法で、こんな飛躍ができるのかと思わされました。
きたる2月5日(水)から11日(火祝)までの7日間は、日本橋タカシマヤ地下1階での催しが予定されています。上に紹介した書籍の著者、稲田さんの本業であるインド料理店エリックサウス(八重洲)も近い!です
きたる2月5日(水)から11日(火祝)までの7日間は、日本橋タカシマヤ地下1階での催しが予定されています。上に紹介した書籍の著者、稲田さんの本業であるインド料理店エリックサウス(八重洲)も近い!です
梅太郎通信 vol.54
2025年1月15日
2025年1月15日
- 文・絵・レイアウト
- 上澤佑基
- 発行者
- 株式会社上澤梅太郎商店
- 発行所
- 株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)