2024年1月15日に配布したうめたろう通信vol. 42のバックナンバーです。
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【 巻頭 】今市歳時記(12)
新年あけましておめでとうございます、という挨拶が憚られるほどのお正月でした。能登は酒蔵醤油蔵・焼酎工場がたくさんあるほか、地魚やイカを利用した魚醤づくりも盛んな地域で、そのほとんどすべての蔵元が全壊あるいは全壊に近い被害を受けています。しかもこの仕込みのシーズン。状況を思うだに、胸が締め付けられる思いです。いまはまだ「復興」という言葉をかけることもためらわれる状況です。何とか、心だけでも寄せていけたらと考えています。
もくじ
- 【 巻頭 】今市歳時記(12)
- 【 読みもの 】一般漬物学入門(13)・・・1
- 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
- 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
- 【 巻末 】
【 読みもの 】一般漬物学入門(13)
菁根須須保利 一石 料 塩六升 米五升
漬物製品としての出来高が一石ということは、歩留まりを考慮すると、生のカブ原料はざっくりとその倍は必要である。すると、生原料と塩と米の容積比は、200:6:5となる。この『延喜式』のレシピを再現する上で、実際に漬物を1石、現在の度量衡で18ℓに相当する量を仕込むには少々骨が折れる。なので今回はスケールダウンした上で、原材料を原著の「容積比」から、より再現性の高い「重量比」に変換していきたい。
今回、計算の便宜上、カブ200:塩6:米5の200部分を2ℓと置き換えたい。すると、その他の原料は、それぞれ塩60㎖、米50㎖となる。現代の野菜・塩・米は、当時のものとは大きく異なることは承知の上で、材料は手軽に入手できるものをそろえた。カブは農協で調達した葉付きのもの、塩は並塩(瀬戸内海塩)、米は精白済みコシヒカリである。
数日陰干ししてしんなりさせたカブを2ℓの容器にぎゅうぎゅうに詰め込んでみると、実測値で約1,200gとなった。同様に、メスシリンダーで塩を60㎖計量すると約70g、米50㎖は約50gであった。容積は目視のため正確性に欠けるかもしれないが、いちおう、これで、度量衡の変換が完了した。70÷(1,200+70+60)=0.053。仕上がり塩度約5%のカブの古漬けとなり、現代の感覚においてもごく常識的な漬け方といえるだろう。
今回、計算の便宜上、カブ200:塩6:米5の200部分を2ℓと置き換えたい。すると、その他の原料は、それぞれ塩60㎖、米50㎖となる。現代の野菜・塩・米は、当時のものとは大きく異なることは承知の上で、材料は手軽に入手できるものをそろえた。カブは農協で調達した葉付きのもの、塩は並塩(瀬戸内海塩)、米は精白済みコシヒカリである。
数日陰干ししてしんなりさせたカブを2ℓの容器にぎゅうぎゅうに詰め込んでみると、実測値で約1,200gとなった。同様に、メスシリンダーで塩を60㎖計量すると約70g、米50㎖は約50gであった。容積は目視のため正確性に欠けるかもしれないが、いちおう、これで、度量衡の変換が完了した。70÷(1,200+70+60)=0.053。仕上がり塩度約5%のカブの古漬けとなり、現代の感覚においてもごく常識的な漬け方といえるだろう。
【 ご説明 】セットの内容について
日光の年明けを味わうセット
このたびは第41回目の日光美味定期便にお申込みいただき、誠にありがとうございます。水神様にお供えした野菜はけんちん汁に、芋はふかし芋にしてありがたくいただきました。そのほか、きのうは正月あけて以来の半日休みをとり、悪くなりかけの果物類をかたっぱしからジャムに加工して加熱殺菌まで施し、大変満足した次第です。
以下、今月の内容です。
以下、今月の内容です。
一、沼尾農園さん(日光市今市芹沼)の白菜1 個
今市から塩谷方面に抜ける地域、芹沼の沼尾さんから、白菜をおとどけします。沼尾さんの心意気で大玉をご用意いただきましたので、みなさまたっぷりと召し上がってください。外皮の傷ついた部分は大胆に落としていただいても、まだまだ食べ出があります。同梱のゆばと一緒に煮びたし、また、お鍋の具材にしたり、焼いたり、炒めたり。この時期の万能選手としてお使いいただければ幸いです。たびたび記させていただいていますが、ジップロックなどのチャック付き保存袋を用いると、ご家庭でも簡単に田舎風の白菜漬けができます。どうぞお試しください。
- 白菜をよく洗って、ひとくち大に切る
- 保存袋に白菜を入れ、お好みで白菜の重量の1〜3 %程度の重呈の塩をふる(少量の砂糖や昆布茶、唐辛子など加えても◎)
- 袋の中の空気をよく抜いて、冷蔵庫に保管
- 白菜からしみ出した水分が袋全体にまわったら食べごろです。
バーテンダーで料理研究家の藤村公洋さんに教えていただいたレシピです。1 週間以上おいておくと、冷蔵保管していても白濁して酸味がでてきます。個人的には酸っぱければ酸っぱいほど好みではありますが、菌類が増殖している証拠でもありますので、大きな声でおススメはできません。常識の範囲でお楽しみください。すっばくなってしまったものは、我が家では炒め物や餃子のタネに使っています。
白菜が美味しいレシピ・・・妹尾河童の中華風鍋ピエンロー舞台美術家・作家の妹尾河童さんが考案したトロトロ白菜鍋の「ピエンロー」。1 日中ナベの番をする必要があるので、我が家では滅多に食べられない料理ですが、いちど食べたら忘れられない味です。材料はいたってシンプル、製法はただただ弱火で煮込んでいくだけ。詳しいレシピは「ぷちぐるピエンロー」で検索してください。。
白菜がおいしいレシピ・・・酸菜餃子
すっばくなった白菜漬けを水餃子のタネにします。かの国では、お正月料理の定番です。レシピはシンプルで、皮は粉と水が2 : 1 、タネは野菜と肉が2 : 1 、「2 : 1 」がギョーザの黄金比です。詳しい作り方は「按田優子餃子」で検索してください。タネに生野菜でなく漬物を使う場合、調味料は減らしてください。
すっばくなった白菜漬けを水餃子のタネにします。かの国では、お正月料理の定番です。レシピはシンプルで、皮は粉と水が2 : 1 、タネは野菜と肉が2 : 1 、「2 : 1 」がギョーザの黄金比です。詳しい作り方は「按田優子餃子」で検索してください。タネに生野菜でなく漬物を使う場合、調味料は減らしてください。
二、だいもん農園さん(日光市明神)のいちご1 パック
市内の篤農家、大門さんのいちごをお届けします。今回は、とちおとめ・とちあいか・スカイベリーのいずれかから、今の時期、けさ、状態のよいものをお届けします。
三、松葉屋さん(日光市今市春日町l丁目)の徳用あげゆば1 袋
同じ町内に本店があるお豆腐やさん「松葉屋」さんから、徳用あげゆばをお届けします。賞味期限が短いので、召し上がりきれない分は冷凍保存した上で、お早目にお召し上がりください。下ゆでして油を抜いたら、毎日のお味噌汁や季節のお野菜・きのこ類と炊き合わせに、お鍋の具材としてもとっても優秀です。
あげゆばがおいしいレシピ・・・いろいろ
- お味噌汁油抜きしたゆばをいつものお味噌汁に入れる。
- 煮びたし油抜きしたゆばを、たっぷりのだしで葉物野菜やきのこ類といっしょにさっと煮て、そのまま冷ます。
- きんぴら油抜きしたゆばを細かく刻み、刻んだカブや大根の葉っばといっしょに油砂糖酒醤油で甘辛く炒め煮。納豆に最裔!
四、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町一丁目)のつぶ味噌1 kg入り
国産のお米と大豆を醸したお味噌です。仕込み桶からそのまま袋づめしていますので、糀や大豆のつぶつぶが多少のこっています。野趣としてお楽しみいただければ幸いです。
五、上澤梅太郎商店の長芋のたまり浅漬け
長芋をさっと酢水にくぐらせて、日光味噌のたまりに漬けました。しゃくしゃくした食感とたまりの香りをお楽しみください。
六、上澤梅太郎商店のふわふわ大根
定番の大根のたまり漬を、千切りに刻みました。これはごはんのお伴ですね。小さい頃、熱を出して寝ていると、明治生まれの曾祖母がおかゆを煮て、大根のたまり漬を糸のような千切りにして持ってきてくれました。そんな味です。
七、上澤梅太郎商店のらっきょうのたまり漬
定番のらっきょうです。基本的には栃木県産(季節や天候によっては茨城・宮崎・鹿児畠のものを使うこともあります)のらっきょうを厳選して三か月以上塩漬け。茎と根のトリミングと皮むきののち、甘酢とたまりで更に長期熟成させ、漬け上がり後ただちに袋詰めしてお届けしています。
次回は、
- ・地元でも知る人ぞ知るおまんじゅう
- ・手作りこんにゃく
- ・こんにゃく用の田楽味噌
- ・牛肉のたまり漬
など予定しております。辛いニュースが続きますが、どうかみなさま、健やかに、和やかにお過ごしください。
【おしらせ】
汁飯香の店
隠居うわさわ
ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。
〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
GoogleマップQRコード
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】
1月9日は十干十二支でいう「壬申(みずのえさる)」の日、年が明けて最初の「水」の日でした。例年、年明け最初の水の日には、蔵のなかにある水神様(すいじんさま)のお祭りをもちます。地元の鎮守・瀧尾(たきのお)神社の宮司に来ていただき、各部署の長が集まってお清めを受けます。水神碑のまえには、神饌として、菜っ葉・大根・にんじん・芋・りんご・みかん・いわしの干物の各種と、洗い米・塩・鰹節をお供えします。また、コップに水と酒を汲んでおくのも忘れてはなりません。地酒の「清開」は、その銘柄名を先代宮司が命名した、神社とゆかりの深い酒です。燈明を1対ともしたら宮司の祝詞がはじまります。正月の喧噪がすぎて、この祭りを終えると、ようやく1年のはじまりです。
梅太郎通信 vol.42
2024年1月15日
2024年1月15日
- 文・絵・レイアウト
- 上澤佑基
- 発行者
- 株式会社上澤梅太郎商店
- 発行所
- 株式会社上澤梅太郎商店
株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)