2023年9月15日に配布したうめたろう通信vol. 38のバックナンバーです。
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うめたろう通信2023年9月15日号1枚め
うめたろう通信2023年9月15日号2枚め
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【 巻頭 】今市歳時記(8)

町に、ぽつぽつと祭りが戻ってきました。今市の旧市街は現在約15町会があり、これが基本単位になって、各町会ごとに鎮守の神社の当番町を一年ごとに受け渡していきます。その「公式な」お祭りとは別に、各町会ごとの祭りがあります。たいてい「納涼祭」の名目で公民会に集まり、ヤキソバを焼いて、子供たちを遊ばせます。各町会ごと、他町会には招待状をだして、招待されたらご祝儀を包んで参加します。面倒な慣習ですが、世代を超えた文化的交換の場としての機能は普遍です。
もくじ

  • 【 巻頭 】今市歳時記(8)
  • 【 読みもの 】一般漬物学入門(10)・・・1
  • 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
  • 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
  • 【 巻末 】お米も心配

【【読みもの 】一般漬物学入門(10)

『延喜式』をもう少し詳しく読んでみたい。出典は『延喜式』(日本古典全集刊行会、一九二七~一九二九)国会図書館デジタルコレクションのオンラインサービスである。第三九巻「内膳司」の項に、宮中祭祀に使われた漬物類が列挙されている。
漬年料雑菜。
蕨二石。(料塩一斗。)薺蒿一石五斗。(料塩六升。)薊二石四斗。(料塩二升七合。)芹十石(料塩八斗。)蕗二石五一斗。(料塩一斗。米六升。)虎杖三斗。(料塩一升二合。)多々良比売。花搗三斗。(料塩三斗。)龍葵味薤六斗。(料塩四斗八合。棯三升。)
【中略】生姜四石五斗。(料塩一石四斗二升。汁糟四石二斗。)柏三十五把。(把瓼口料。)匏二柄(汲汁料。)【後略】
と続く。基本的には「野菜の量」「塩の量・副原料の量」、が記されている。最後の部分では、柏の葉を瓼(広口の須恵器)の蓋に、匏(ひさご・ひょうたん)を汁気を汲む道具として用意せよ、とある。これらの記述を製法として解するには、いくつかの課題がある。一、「蕨二石」とあるのは、野菜の原材料としての量なのか、完成した漬物としての出来高なのか。二、度量衡が容積    で表記されているが、より再現性に正確を期すのであれば重量比に換算する必要がある。三、重石についての記述がない。の三点である。

【 ご説明 】セットの内容について

日光の初秋を楽しむセット

このたびは第37回目の日光美味定期便をお申込みいただき、誠にありがとうございます。台風を境に、空気の感じがだいぶ秋めいてきました。陽がさしはじめるのがだいたい5時すぎ、そのころ外に出るには、薄手のはおりものが1枚ほしいほどです。作業をしていると次第に汗ばんできますが、それもまた気持ちのよい程度の季節になってきました。それでは、以下、今月のお品物のご紹介です。

一、秋澤農園さん(鹿沼市上日向)の梨5個入り

となり町、鹿沼市で梨農園を営む秋澤さんから、梨をお届けします。今回は「あきづき」という品種で、小ぶりながら水分に富み、丸く赤くなるのが特徴です。この「日光美味定期便」をやっていて、いちばん反響が大きいのがこちらの梨です。ふだんは自宅の一角の直売所でしか販売しておらず、一般にはほとんど流通しません。「何時まで営業してるんですか?」ときくと「終わるまでです」という返事。これが、まったくの悪気もなく、愛想の悪い感じもなく、ただ自然にそうなのだからそう、といった風情で淡々と答えられてしまうので、遠方からわざわざ出かけていって購入するのは、至難の業といえるでしょう。この季節ならではの味をお楽しみください。

二、がんこ職人(栃木市西方)さんの大粒柿種

秋澤農園さんからさらに南側にいったところ、鹿沼市と栃木市のさかいめの場所に本社と工場のある米菓やさん、がんこ職人さんの柿の種です。なお、この地域の鹿沼市がわ、南摩(なんま)は、曾祖母の母方の出身地(神主をやっていたらしい)でもあり、なんとなく親しみのある場所です。栃木県は新潟に次いで米菓の生産が多く、なかでもがんこ職人さんは全国区の販売量とクオリティがあります。一度開封したら止まらなくなる味です。

三、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町一丁目)のステーキソース

栃木県ならではの外食は?ときかれて、多くの人がその答えを待っているであろう宇都宮餃子や佐野ラーメン。でも、実は、地元のわれわれには気づきえない、意識されないほどに「普通」になってしまっている、でも栃木県内でしか食べられていないものがファミレスチェーン「宮ステーキ」の宮のタレです。玉ねぎと酢醤油がベースのさっばりとしたタレで、「宮ステ」のお店に行くとごはんとタレはお代わり無料。ならばとごはんにタレをかけて5皿はたべましょう、というのが青春の味です。元はといえば、宇都宮の二荒山神社ちかく(というよりは今はなき宇都宮パルコの裏、といった感覚ですが)の高級ステーキ「存じやす」のタレの味が県下に広まったものと考えられ、これもまた、今はなき大衆ステーキ屋さん「グリル富士」の味が同系統で、弊社社長のお気に入りでした。この味を再現すべく、たまり漬のにんにくとしょうがをアレンジして作ったタレです。ステーキ以外でも、豚肉・鶏肉・白身魚・たまごと、何にでも合います。

四、上澤商店の夏太郎

日光市内の実験圃場内でとれた今年産の新らっきょうを、うすい塩水とほんの少しの酢で浅漬けにして、乳酸発酵させました。

五、上澤商店のみょうが

近隣の農家さんの秋みょうがを、たまりに漬けました。こまかく刻んで納豆・豆腐・カツオのたたきなどの薬味としてお使いください。

六、上澤商店の七種刻み合わせ(だんらん)

大根・胡瓜・茄子・しその実・蕗•生姜・干瓢の七種のたまり漬をまず別個に完成させ、それぞれの大きさにカットしたのちに混ぜ合わせて、さらに重石をして数か月熟成させて作ります。いわゆる福神漬けです。

七、上澤商店の浅太郎

らっきょうのたまり漬の、たまりの味を淡めにしたものです。箸休めやカレーの付け合わせの他、ツナマヨなどに合わせてサラダにも。

【おしらせ】

汁飯香の店
隠居うわさわ

ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。

〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】お米も心配

暦の上では秋になりました。台風の上陸を境に数日のあいだ雷が鳴り続け、朝晩の空気も次第に澄んできたように思います。お盆のまえにしその実の農家さんを巡回して様子をきいたところ「草丈が伸びるのが例年以上に早い。出穂も早い」ということで、今年はしその実の買い付け期間を1週間ほど前倒しにしました。ところが、蓋をあけてみると不作傾向。なかなか涼しくならなかったため、花は咲いても実が入らないというが今年の作柄でした。お米農家さんも、同様に、実入りがよくないのではとそわそわし始めました。自然が相手だと、予測もなかなか難しいものです。例年、10月10日を境にすっかり寒くなってきますが、さて、どうなるでしょうか。
梅太郎通信 vol.38
2023年9月15日

文・絵・レイアウト
上澤佑基
発行者
株式会社上澤梅太郎商店
発行所
株式会社上澤梅太郎商店

株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)