2023年7月15日に配布したうめたろう通信特別版のバックナンバーです。
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【 巻頭 】今市歳時記(6)
梅雨が明けたかどうか、よくわからないうちに猛烈な暑さがやってきました。巽(たつみ・南東)の方角を向いた店先のサンパチェンスの花も、あまりの暑さにしおれ加減です。八坂の祭礼の大神輿の渡御は、今年も大事をとって省略コースとなりました。桜の開花が10日は早かった今年、らっきょうの収穫もまた昨年のより2週間ほど早く、今年は七月上旬にはすでに採り終えてしまっています。このあと夏野菜〜秋野菜と、仕込みの繁忙期が続いていきます。まだまだ安心できません。
もくじ
- 【 巻頭 】今市歳時記(6)
- 【 読みもの 】一般漬物学入門(9)・・・1
- 【 ご説明 】セットの内容について・・・2
- 【 お知らせ 】汁飯香の店 隠居うわさわ・・・6
- 【 巻末 】みのりの夏
【 読みもの 】一般漬物学入門(9)
本邦における漬物の記述がみられる最古の例は、やはり『延喜式』ということになる。延喜式とは、「延喜」の時代に起草された「式」である。延喜は西暦九〇〇年代の初頭であり、醍醐天皇の時代にあたる。この時代、律(刑法)と令(民法)の施行上の細目を定めた行政文書に「格」と「式」とがあった。つまり、『延喜式』とは、延喜の時代の法令の運用上の補足事項を定めた一種の公文書であり、ほぼ完全な形で写本が現存する最古の「式」のため、ここに定められた租庸調の類、祭祀にかかわる神饌、宮中の生活物資など、当時の社会のあり方を知る重要な資料となっている。
とくに、「内膳司漬年料雑菜条」には、当時供されていた漬物類に関する記述がある。その製法は大別して一、塩漬 二、糟漬 三、醤漬(ひしおづけ) 四、須須保利(すずほり)漬 五、葅(にらぎ) 六,搗(かつ) 七、荏裹(えづつみ)となっている。塩漬は塩を使うもの。糟漬は麹類を酒や塩水で割ったものを漬け床としていたと思われる。醤(ひしお)漬は米糀、豆麹などを酒や塩水で割ったものを漬け床としていた。須須保利(すすほり)漬は、豆や粟や稗を臼で挽いた粉と塩を混和して漬け床にするもの。葅(にらぎ) は、楡(ニレ)の樹皮を粉にして漬け床に加えたものを指す。搗(つき)は花や果実のペーストを塩漬けにしたもの。荏裹(えつづみ)はエゴマの葉で素材を巻いて漬物にしたものである。
とくに、「内膳司漬年料雑菜条」には、当時供されていた漬物類に関する記述がある。その製法は大別して一、塩漬 二、糟漬 三、醤漬(ひしおづけ) 四、須須保利(すずほり)漬 五、葅(にらぎ) 六,搗(かつ) 七、荏裹(えづつみ)となっている。塩漬は塩を使うもの。糟漬は麹類を酒や塩水で割ったものを漬け床としていたと思われる。醤(ひしお)漬は米糀、豆麹などを酒や塩水で割ったものを漬け床としていた。須須保利(すすほり)漬は、豆や粟や稗を臼で挽いた粉と塩を混和して漬け床にするもの。葅(にらぎ) は、楡(ニレ)の樹皮を粉にして漬け床に加えたものを指す。搗(つき)は花や果実のペーストを塩漬けにしたもの。荏裹(えつづみ)はエゴマの葉で素材を巻いて漬物にしたものである。
【 ご説明 】セットの内容について
日光の梅雨を楽しむセット
このたびは第35回目の日光美味定期便をお申込みいただき、誠にありがとうございます。それでは、以下、今月のお品物のご紹介です。
一、本澤屋さん(日光市今市東郷町)のかまぷた餅(5 個入り)
今市のまちは、現在の「道の駅」の裏手にある、星顕山如来寺(にょらいじ)を中心に、集落ができたことにさかのぼります。この如来寺の参道で、だんごを中心に和洋菓子を作っていらっしゃるのが本澤屋さんです。このお盆前の時期に、日光を中心に、主に栃木県の県北地域でたのしまれるお菓子が「かまぷた餅」です。地獄の釜の蓋を模していると言われており、お盆前の七月末に仏壇にお供えします。「地獄の釜の蓋が無事に開いて、ご先祖さまが帰ってこられますように……」とお祈りしたのがその起源だと言われていますが、正確なところはよくわかりません。みょうがの葉っぱ入りの平たい焼き菓子で、葉っぱはそのまま召し上がっていただけます。
かまぷた餅のほかに「かまぷたまんじゅう」というのもあり、こちらはどちらかというと家庭の味です。おおぶりの炭酸まんじゅうで、皮に味噌をねりこむ家もあります。いずれにしても7月末にお供えするものです。千葉県出身のウチの祖母は、近所のひとがこれをくれるとき、いつも「ウチのご先祖様が地獄にいるはずがない!」と怒っていたとか……。繰り返しになりますが、その由来は不明です。
二、北野谷商店さん(日光市土沢)のところ天天突き棒つき
もともとは町うち(小倉町四丁目。かましん今市店のちかく)にあったこんにゃく屋さんです。北野谷さんに伺ってはじめて知ったことですが、こんにゃく屋さんの繁忙期は冬、はんたいに夏場はこんにゃくはほとんど売れないということで、伝統的にこんにゃく屋さんは、夏はところ天をつくるそうです。国産天草で作ったところ天。酢醤油に和辛子をつけて、あるいは、黒蜜で召し上がってください。袋の中の環境保全のため酢がつかわれてありますが、召し上がるまえに流水で晒すと、酢の香りが抜けます。気になる方はお試しください。
豆腐屋さんにこんにゃく屋さん、酒屋に味噌屋しょう油屋漬物屋、肉屋魚屋たまご屋さん、むかしは川魚の専門店まであったといいます。いまでは商店街のお店も少なくなってしまって、すべて「道の駅」に集約されていますが、それでもまだ、今市のまちうちは、ウォーカブルな町としての機能が果たせるだけの余地があるように思います。その魅力の一旦でもお伝えできたら幸いと思っています。
三、福島商店さん(日光市今市朝日町)の中華麺2玉入り
夏はさっぱりと冷たい麺をいただきたいもの。そうめんや冷麦もいいですが、今回は変わり種の中華麺をご紹介します。福烏さんは当店から鬼怒川方面に国道121号線をくだって徒歩数分の立地にあります。市内のラーメン屋さんや旅館・ホテルなど、プロユースの麺をつくる製麺工場でもありますが、小売りもしてくれます。ここの麺を自宅でゆでると、まさにお店の味がたのしめます。多めのお湯でゆがいて、キリっと冷水で〆たら、同梱の味噌ドレッシング、あるいは「ひしお」でめしあがってみてください。薬味として、生の胡瓜や茗荷を添えるのもおすすめです。
四、八木澤ファームさん(日光市高百)のハバネロドレッシング
「汁飯香の店隠居うわさわ」のお米を供給してくださっている八木澤さんが育てているハバネロを使用した、胡麻ドレッシングです。味付けとして、弊社の味噌も入っています。こちらも生の胡瓜など、よく冷やした野菜のおともにお使いください。そこまで辛くはないと個人的には思ってはいるのですが、辛さの感じ方には個人差が大きいと思いますので、少量ずつおためしください。
先日、八木澤さんの田んぼに行った際、その水源地のちかくにある「高百の床滑(たかびゃくのとこなめ)」の景観の美しさに、あらためて圧倒されました。霧降川の一部の川底が、平滑な一枚岩になっていて、川なのにまるで遠浅の、水遊びには最適な場所になっています。グーグルマップで検索すると画像もでてきますので、よろしければ御覧ください。
五、上澤梅太郎商店(日光市今市春日町一丁目)のピリ太郎150g入り
おなじみのらっきょうのたまり漬に、「やまつ辻田」謹製の国産最高級輪切り唐辛子をまぶしました。こちらもピリ辛風味です。夏に唐辛子で元気をつけていただこうという趣向です。
六、上澤梅太郎商店のひしお150g入り
米糀、大豆麹、大麦麹、小麦麹の4種類のこうじを、粒が残るよう仕込んだ味噌で、中にだいこん、きゅうり、しょうが、しその実の4種類のたまり漬が入っています。さきほどの中華麺のほか、野菜スティックにつけてお召し上がりください。我が家では鶏肉を焼いたものにつけて食べたりもします。
七、上澤梅太郎商店のなめこのたまり炊220g入
おススメの「たまごとじ」のほか、そうめんや冷ややっこの具にも。
八、上澤梅太郎商店の「日光味噌のたまり浅漬けの素ー朝露ー」100ml入
季節のお野菜の浅漬けに、また、一般的なかけしょうゆとしても。
来月の内容は、以下のとおりです。
- ・日昇堂さんのいちごチョコレート
- ・グルメミートワールドさんの日光ヒミツ豚ベーコンブロック
- ・モッツァレラチーズのたまり漬
- ・らっきょうのたまり漬
- ・刻みザクザクしょうが ほか1品
です。どうぞお体お大切に!
【おしらせ】
汁飯香の店
隠居うわさわ
ごはん、味噌汁、潰物のよろこびをお伝えします。
〒321-1261
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
栃木県日光市今市487
Tel 0288-25-5844
毎週土日月のみ8:30-14:00まで営業
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
*一組様ずつ土鍋で炊飯するため、事前予約いただけると助かります。
0288-21-0002(代)
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【 巻末 】みのりの夏
地方に住んでいて嬉しいのは、農家さんからフレッシュな野菜をいただくこと。いよいよ夏が本番になってきて、採り切れないほどの胡瓜や茄子、ピーマン、ズッキーニ、トマトなどをおすそ分けしていただくことがあります。これらを無駄にすることなく、いかにして食べきるか?を考えているときが、もっとも楽しいひとときです。たいてい、茄子やピーマンは味噌炒めにしてごはんのおかずにしたり、出汁でのばしてそうめんのつゆにしたりします。ズッキーニは素揚げして、出汁にひたして揚げびたし。胡瓜は、しそやみょうがなど薬味類とみじん切りにして三杯酢とあえてトマトとからめます。いわゆる緑酢ですね。もちろん、ぬか漬けも。どうぞお試しください。
梅太郎通信 vol.36
2023年7月15日
2023年7月15日
- 文・絵・レイアウト
- 上澤佑基
- 発行者
- 株式会社上澤梅太郎商店
- 発行所
- 株式会社上澤梅太郎商店
株式会社上澤梅太郎商店
〒321-1261栃木県日光市今市487
0288-21-0002(代)