注文したもの

食事

・自家製パテドカンパーニュ

・前菜盛り合わせ

・鴨モモ肉のカスレ

ワイン

・シャトーメルシャン椀子ワインロゼ (長野県上田市椀子ワイナリー)

・STORI オレンジワイン(ジョージア)

・コト―・ブルギニョン ルージュ 赤ワイン(フランス ブルゴーニュ)

 

日光市下鉢石(シモハツイシ)町にお店はある。日光東照宮へ向かう途中の表参道通りに位置しており、観光客で賑わう通り沿いだ。

訪れたのは夕暮れ時。人や車の流れが少なくなる中、温かい灯かりが光るお店に目が留まる。
 

フレンチレストランのGirouette(ジルエット)。

「フレンチ」と聞くと、少し気合をいれていかないと入れない雰囲気があるが、ここはお店の風合いからか、カジュアルに楽しめそうな雰囲気が入る前からも感じられる。

 

さっそくお店に入ってみると、、

テーブル椅子の木のぬくもり、大きなグラスでできた柔らかいライトの灯、各所に設置されている小瓶の生花など、ホッとする色合いの空間になっている。「今日もお疲れ様、おかえりなさい」と迎えてくれている心地よさを感じる。

 


 

 

予約のお客様のテーブルにはジルエットのコンセプトシート、日光彫のプレート、カトラリーが並べてあり、お客様へのホスピタリティは完璧なのだ。

 

テーブルに着くと、まずはフカフカのお手拭きが渡される。

タオルで有名な愛媛県今治市の自然素材に特化したタオル「IKEUCHIORGANIC」なのである。

 


 

早速メニュー表を見てみる。

グランドメニューにもそそるメニューは多々あるが、手書きで書かれた黒板メニューは今の旬やシェフの一押しが書いてあるのでそちらを見てみる。
 

夜に来てアラカルトで頼むのであればまずは、前菜盛り合わせは欠かせない。
 

それともう一つ。肉料理は食するべし。

というのも、ジルエットのシェフ福井家は豚肉の加工品を製造販売する店「グルメ山中」がベースにあるからだ。

使っている豚肉は、栃木県さくら市で育てられているブランド豚「浅野ポーク」。それを使ったソーセージやパテはどれも至極のヒトシナなのだ。

 

そう来たら頼みたいのは「パテドカンパーニュ」。豚のネック背脂・鶏レバー・グリーンペッパーと数種類のスパイスを練りこんだ加工肉で、福井シェフの手作り。

 


 

それに添えられているのは、なんとうれしい、弊社のたまり漬なのだ。

通常パテにはピクルスの添えられているのが一般的であるが、地元の食材を知ってほしいというシェフのこだわりから、日光の漬物として「たまり漬」を使ってくれている。今日は、胡瓜のたまり漬だった。(日により漬物の内容は違うそう)

パテとたまり漬の相性であるが、豚のうまみと滑らかさのパテとたまり漬の甘じょっぱさがかけ合わさり、どちらの良さも引き立てくれる。付け合わせで出てくるカンパーニュにつけて食べると2度楽しいのだ。

 

それに合わせるおすすめワインは、

長野県上田市のシャトーメルシャン椀子ワイナリーのロゼワイン。
フレッシュな味わいがしっかりした味付けのパテを中和してくれるワインである。

椀子と書いてマリコと呼ぶのは初めて知った。(6世紀後半、この場所が欽明天皇の皇子「椀子皇子」の領地であったことから、「椀まり子こヴィンヤード」と命名したことが由来とのこと)

引用:https://www.chateaumercian.com/winery/mariko/

 


 

次に出てきたのは、シェフもおすすめする前菜盛り合わせ。

出てきて目を奪われるのが、そのボリューム!これでもスモールサイズより少な目なのだそう。それもそのはず、10種類ほどのデリや野菜、生ハムが一皿で味わえるのだ。

キャロットラぺ、キノコのマリネ、ツナと大根のサラダなどの定番デリの他にクスクスとハーブのデリ、ゴボウとレンコンとプレーンのデリなど、なかなか珍しいシェフのアイディアが詰まったデリが勢ぞろい。このデリもパンと一緒に食べてオープンサンド風にして食べるとまた絶品なのだ。

 


 

シェフにメインディッシュにおすすめを伺うと、

「鴨モモ肉のカスレ」という回答。

カスレとは、フランスの伝統的な家庭料理で、ソーセージと白いんげん豆、鴨肉をトマトソースとスパイスで煮込んだ料理である。

カスレをメニューにいれいているレストランは少ないイメージで、地元で食べられる店があることに嬉しさを感じた。


 

見た目が豪快でボリューミーだが、食べてみると鴨肉とソーセージのうまみが溶け出したソースに煮込まれた豆とトマトソースの味わいが優しく、パクパク食べられてしまう・・・

そして、入っているソーセージは自家製山椒入りソーセージ。ピリッとした辛味がアクセントにちょうどいい。

 

これに合わせるワインがまた格別。

有機栽培の葡萄を伝統的な手法でつくられたオレンジワインで、オレンジワイン発祥の地ジョージア産のもの。

オレンジワインは昨今、世の中的に飲まれるワインとして根付いてきているがまだまだ知る人は少ない。その中でもメニューに取り入れているところがシェフのこだわりを感じられるポイントでもある。


 

もう一つおすすめのワインを教えてもらったところ、フランスのブルゴーニュ地方で造られている自然派の赤ワイン。柔らかく、柔軟性のある味でお肉にもお野菜にも合わせやすそうな優しいワイン。オレンジワインとは違ったカスレのおいしさを味わえた。

 

ふと落ち着き、メニューを見てみると、

ミートスパゲッティ、ハヤシライス、フレンチフライなど、カジュアルなメニューもあり、子供でも気軽に楽しめそうなものも多々あることに気づいた。

周りのお客さんも見渡してみると、子連れ夫婦、地元のお母さんたち、特別な日を味わうために来ている若いカップル、フランスの観光客など多種多様な人たちがそれぞれのリラックスタイムとして来ていることが伺える。

料理として楽しむお店としてはもちろんなのだが、それ以上に福井シェフのたくさんの感謝の想いがにじみ出たメニューと、お店のところどころに地元の人たちの作品がたくさん詰め込まれたこのお店にはホッとする味わいがあり、また行きたい、紹介したい、通いたくなる店になっているのであろう。