フーディ的なおいしさを考えたとき、基調になるのは、生理的に感じうるおいしさのバランスである。現在明らかになっている味覚は五味と呼ばれ、鹹(から)味・甘味・酸味・苦味・旨味に分析される。近年、ここに六番目の味「コク味」と呼ばれる油脂系の味を追加するべきとして調査研究も進められているほか、香辛料に由来する各種の辛味も、味覚に類する重要な要素であることに疑いの余地がない。また、「風味」という言葉が示すとおり嗅覚情報も味覚に付帯する重要な要素である。
 五味+コク味+辛味×香り。これらの傾向を順列組み合わせ的にバランスよくまとめることが、フーディ的おいしさの生理的側面となる。