「漬物は、冷蔵庫がなかった時代に食べ物を保存するための知恵だった。漬物は保存食である―」。よく耳にする言葉です。これは、半分だけ、ほんとうです。
こんにちでも、露地ものの野菜の旬は、一年に一度しかありません。リーファー技術の進歩した現在でも、自然の恵み、あるいは、農家さんの努力の賜物を塩蔵する技術はとても大切なものです。
野菜を塩漬けにして次の旬が来るまで保管しようというとき、塩気がどれくらい必要かというと、総重量の20%ほどは必要になってきます。海水の塩分が3%ですから、どれほどの塩辛さか、お分かりいただけると思います。
高い塩分によって菌にも負けないが、ヒトも食べられない――これが塩漬けの技術のキモなのです。
というわけで、塩漬けの野菜を食べるには、食べる直前に水にさらして塩分を抜くことが必須です。保存の要である塩分を抜き取るわけですから、食べられる程度の味になった塩漬け野菜は、もはや保存食とは呼べません。
では、現代の漬物製品はいかにして保存性を高めているか。商品を袋ごと30分もの間お湯で煮て、加熱殺菌しているのです。
ところが、弊社のお漬物は加熱処理をしていません。熱によって、漬物の命である「シャキシャキ感」や「香り」が損なわれてしまうからです。
毎日の蔵出しで新鮮な品物を提供しつつ、ご不便をおかけしてすみませんが、冷蔵保管をお願いしている次第です。
ー漬物の保存性についてー
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